今年の5月頃、緊急事態宣言が解除された直後は、夏前にはコロナが収束して、秋頃には中国へまた行けるんじゃないか…と淡い期待を抱いていたものの、その後、日本には第二波がやってきて、全くその期待は断たれてしまった。
たぶん、早くて来年の暮れか、再来年ぐらいまでは日本から出られないものと考え、今後の予定を立て直すことにした。
ただ、そうなってくると私が困るのは「食べ物」のことでw、今後2年か3年…中国の料理が食べられないのは精神的にツライ。黒色中国は「中国が好きじゃない!」と言いつつも、食べ物に関しては例外なので、非常に困る。日本で食べられない料理、自作できない料理もあるからだ。
今年1月末から2月頭にかけて、広東省で外出自粛生活をしていた時に食べた「重慶小麺」なる麺料理があって、これが大変美味しかった。
ただ、重慶小麺がやたら美味かった。上海で食べた物より美味しい。麺の出来がよく、噛むとプツプツと小気味よい歯ごたえ。スープも適度に辛く、肉の量もケチケチしてない。そして上にのっかってる豆がサクサクして美味しかった。聞いてみるとエンドウ豆を油でアゲたものらしい。これだけ山盛り食べたい pic.twitter.com/Qi0VWONPnM
— 黒色中国 (@bci_) February 1, 2020
重慶小麺は、上海でも食べたけど、それほど感動的な食べ物ではなかった。でも、なぜか広東省の片田舎で食べたのが最高の出来で、大都会の有名レストランから何らかの理由で逃げ出して、辺鄙な田舎に身を隠している幻のシェフが作ったんじゃないかと思うほど素晴らしかった。
蘭州ラーメンは、ブームになったこともあり、日本のアチコチで食べられる店が増えたけど、重慶小麺は皆無ではないものの、まだ少ない。そこで、自作しようかと思っていたら…
▲こんなのを見つけた。ラオガンマを買おうと立ち寄った中国食材店に置いてあったのだ。4食分入って500円ちょっとだったかな。1食120円ほど。日本の袋麺と比べても安くない。
この袋麺は、以前にも何度か見かけたことがあった。ただパッケージはなんとなく覚えていても、これが重慶小麺であるとの認識まではなかった。中国食材店に、この手の袋麺っていくつかあるけど、それほど割安感はないし、買って帰るにはかさばるし、袋麺だったら、日本製の美味しいのがどこでも売ってるわけで、この手の中国製袋麺に手を出そうと考えること自体がなかった。
ただ、これからあと丸2年ほど、中国に行けない、まともな重慶小麺が食べられない…という深刻な状況において、まずはこの袋麺を試しに食べてみるのも良いのでは…と買ってみたら、意外に美味しかった。2つ目、3つ目と食べて、4つ目を食べ終わる頃になると、これなしでは生きられないほどに(大袈裟だけど本当に)なったので、ぜひ皆さんにもこの福音をお伝えしたいと思い、ブログ記事にて紹介することに致しました。
【目次】
重慶小麺とは?
これをお読みになるほとんどの人が、「重慶小麺って何?」という疑問を持たれているのでは…と思われますので、ヨソの記事になりますが、以下のページを御覧ください。
▲東京と大阪には、重慶小麺の専門店があるそうです。
私はこの2つの店に行ったことがないし、重慶で本場ものを食べたこともないので、なんとも言えないのですが、重慶小麺は蘭州ラーメンとはまた別の「クセ」がありまして、たぶんそれは日本人全般にウケるタイプのものではない。だから、日本における重慶小麺のお店の評価が少々低くても、それは気にされない方がよいかと思います。中国で食べたことのある人なら、クセは気にせず美味しくいただけるかも知れないし、この手の「クセ」が気にならない人であれば、美味しくいただけると思います。
光友の重慶小麺(麻辣味)
▲また同じ写真を出してきましたが、前からチラチラと目についてはいたけれど、今まで買おうとは全く思わなかった重慶小麺の袋…よくみると色々書いてますね。
- 非油炸(油で揚げてない)
- 紅薯方便麺(サツマイモのインスタント麺)
重慶小麺って、サツマイモの麺だったっけ?…という疑問がありますけど、とりあえず袋の裏を見てみます。
▲日本の輸入元が原材料名を日本語訳して貼ってくれています。麺は甘藷澱粉と小麦粉と菜種油を混ぜて作ったものだそうです。
▲中身はこんな感じ。写真では大きさがわかりにくいのですが、「え、たったこれだけなの?」という大きさ…というより「小ささ」。
▲開けてみるとこんな感じ。
麺の独特のゴワゴワ感がいい。これがサツマイモの麺か…という印象。
でも、ものすごく小さいので、これって「1食分」というよりも、小腹が空いた時に食べるオヤツ程度のものなのでは?と考えたのですが、実はそうではなかったのです…
麺を茹でるのはNG
説明書きを読まずに、「とりあえず茹でればいいんでしょ?」と思って、鍋に水をいれて沸騰させ、サツマイモ麺を投入したら…
▲あっという間に溶けてしまいました(´Д⊂グスン
▲完全にドロドロ状態。
▲麺が完全に溶けて一体化しているのでスープも絡まず、全然美味しくありませんでした。でも、スープはいい感じなんですよね。非常にクセがあるけれど。
お湯を注ぐだけでOK
パッケージをよく見てみると…
▲「沸騰した水を注ぐだけ。煮なくて良い」という意味。この部分、パッケージの端っこなので気づきませんでした。
▲裏に小さい文字で書いてました。お椀に麺とスープ全部ぶちこんで、お湯を600cc注いで、フタをして6分から8分待つ…とのこと。「待ち時間」がかなり長いのですが、油で揚げてないサツマイモの乾燥麺をお湯で戻すには、それだけ時間がかかる…ということなのかな。
▲説明書きのとおりにしてみました。
▲8分後の様子。サツマイモ麺の増え方がハンパないです。驚くほどタップリの麺になります。
▲ついていた辣油を投入。スープの方か、辣油の方かは不明ですが、独特の「臭み」があります。中国の麺屋に行った時にある独特の変なニオイってあるじゃないですか。日本では絶対ありえないような異臭というのか。アレが好きな人なら、美味しくいただけます。
▲臭みをのぞけば、スープそのものは非常にシンプルな薄味。麺は大量で食べごたえがあるけど、腹持ちの良いわりに、それほど太らない…というのか。
私は、これにハマってしまったのですが、良い点をあげると…
- お湯を注ぐだけで出来るので、調理の手間が非常に省ける。今みたいに酷暑の中でお湯沸かして麺を茹でる…となればそれだけで汗だくになりますけど、この重慶小麺はそういうことはないです。
- その割に、食べていて「インスタント感」がないというのか。サツマイモの麺をお湯で戻して、シンプルなスープで食べるだけなので。
- お湯を注いで8分も待ってから食べるので、スープもアツアツじゃないのですが、今みたいに暑い時期にはその方が食べやすくて良いです。
- 麺の量が多いけど、完食しても胃もたれしない。柔らかくて胃腸に優しい。
- これだけで食べても悪くはないのですが、いろいろと具材にこると美味しくいただけますね。私は適当に夕食の残り物などをツマミながら、この麺を食べてます。
この麺の「悪い点」を敢えてあげるなら…
- 一般のスーパーでは取り扱ってない。ラオガンマだと1瓶買ったら、数週間は持ちますけど、インスタント重慶小麺は4食パッケージでもそれなりの大きさになるので、遠方の中国食材店からたくさん買って帰るのが面倒ですね。
- これが「本物の重慶小麺」かと問われると、そうじゃないような気がする。私が上海や広東省で食べたものとはかなり違う。でも、これはこれで美味しいし便利。
- 私が通ってる中国食材店の事情か、今だけの事情かも知れませんけど、安定して在庫がいつでもある…というものではないようで。ラオガンマなんかは、どこにでも売ってるけど、この重慶小麺は最近また買いに行っても同じものが見つかりませんでした。
同じ会社が作る別の味のものがあって、どうやら麺も違うみたいなんですけど、そちらはまだ食べてません。
コロナでしばらくは中国へ行けないので、この手の中国食材を片っ端に試して、満たされない食欲を癒やしつつ、生活の「中国文化度」を向上しようかと思います(^^)
▲アマゾンでも入手可能なのですが、送料込みにするとかなり高くなりますので、できるだけ中国食材店で探す方がオススメです。万人受けする味とは思えないのですが(試しに私の家族に食べさせてみたら、極めて不評でしたw)、中国のこの手のテイストが好きな人にとっては、便利だし、充分ハマるんじゃないかと思います。