日本人として、長年中国人と関わっていると、何かと「数」が話題になる。
南京事件で日本軍に殺害された死者の数、天安門事件で中国軍に殺害された死者の数など。
南京事件の犠牲者数については中国側でも、「30万というキリのいい数字で端数が出ないのは変じゃないか」という意見は見られるし、
▲南京大虐殺紀念館にある「嘆きの壁」(犠牲者の氏名を刻んだ石碑)には約1万しか刻まれていない。1980年代にあった日本の教科書問題に憤った中国人が、調査してみたけど、1万しか確認が取れなかった…というのだ。では、30万という数字の根拠はどこにあるのか?ということになる。
私はこの手の話を中国人とする度に(一応、断っておくと私はこの手の話を好まず、中国人から仕掛けてくるのに渋々応じているだけである)、そもそも日本人と中国人は、「数」に対する概念が違うのではないかと思っていた。
そして、この1年ほどは日本側で中国の新型コロナウイルスの死者や感染者の数について、その真偽が話題になることが多くみられる。
そこで、私が以前、中国の友人から聞いた「中国人の数の概念」と共に、その考え方から、今の日本のコロナ対応をどのように見ているのか…という予測をツイートしたところ、反響が大きかったので、こちらにも収録しておくことにしました。
以下、ツイートの転載となります。
この世の中に非政治的な「数」は存在しない
中国について論じていると、「数」の問題は毎度出てくるので、以前中国人と話した時に出た内容を書き出すと、友人曰く政府の出すのは全て政治的な「数」であり、この世の中に非政治的な数は存在しない、それは日本でも同じだ…というのである。これは、陰謀論というよりも、中国人の世界観なのだろう。 https://t.co/BgssFiYXUy
— 黒色中国 (@bci_) 2021年1月3日
日本人が中国人と話していると、南京事件や天安門事件で「数」の問題が常に付きまとう。改ざんしているのではないか、と。ただ、友人に聞くと、中共は自分に有利な数字しか出さないし、中共を責める側もそれは同じで、世の中の全ての数字は政治的だから「正しい数字」なんかそもそもありえない、となる
— 黒色中国 (@bci_) 2021年1月3日
だから、今までの友人との対話で得た「中国人の思考」で、現在のコロナ禍を読み解くと、中国政府が出す「数」は不正確かも知れないが、現在の中国は既に落ち着いており、たまにクラスタが発生すれば全力で潰す「勝ちパターン」に入っている。でも、日本政府は全くダメなのでは?と評価することだろう。
— 黒色中国 (@bci_) 2021年1月3日
「欧米よりマシ」というのも、中国人からすればバカバカしい話で、「もしコロナでオマエの家族が死んだとしても、『欧米よりマシ』と言って政府の擁護ができるのか?一旦落ち着いた時に、第二波、第三波への準備ができたはずなのにそれをせず、Gotoなんとかを始めたあの政府を?」と言うように想像する
— 黒色中国 (@bci_) 2021年1月3日
中国人の視点からすると、数字を書き換えても結果を出せる政府は有能であり、正しい数字を出しているのかも知れないが、1年経っても未だに感染者を増やし続けて、緊急事態宣言を出すのもモタモタしている日本政府の方がずっと不誠実で無能に見えることだろう。「数字がどうした、結果を出してみろw」と
— 黒色中国 (@bci_) 2021年1月3日
読解力のない人のために言うと、この連投は、私がそう思っているのではなくて、私は長年中国人と議論する内に、以前の経験から「たぶんこういうことを言ってくるのだろうな」と手を読むクセがついているので、参考までそれを述べただけである。
— 黒色中国 (@bci_) 2021年1月3日
「中国人」と一口に言っても14億ほどいるので、こういう考え方をしない中国人もいるのだろうが、私が中国人とこの手の話をするのは、一人や二人ではなくて、今まで数十名とやってきた。それらの大半が、概ねこのような話をしていたので、それなりに中国では一般性のある考え方ではないかと思われます。
中国人と関わる皆さんのご参考になれば幸いです。