▲こちらの釣りの後、キープしていた魚を中国の釣友が慣れた手付きで捌き始めました。
その作業を写真で記録していたので、参考まで公開しておこうと思います。
▲上がガンユイ(イエローチーク)、下がチャオズイ。大きさの比較のため、ビール瓶を置いてみた。中瓶の高さが257mm程度なので、ガンユイは80cmぐらいかな。チャオズイは70cm台であろう。
用意するのは、中華包丁と洗面器だけ
▲魚の解体に必要なのは、中華包丁と洗面器だけである。洗面器には水を入れておく。
▲ガンユイの口。大きく開くが歯はない。
▲まずは腹を割いて内蔵を取り出す。
▲中国人は魚種に関係なく魚の浮き袋が好きである。それを取り出すと、他の内臓は全部捨ててしまう。
▲チャオズイも同様に…
▲浮き袋だけ取り出す。ガンユイとチャオズイの浮き袋は随分と形が違う。
▲後は適当にぶった切るだけ。一緒に釣りに来ていたみんなで分配する。
▲洗面器で血を洗う。
▲パッカンに入れて持ち帰る。
ここから上海市内の家までクルマで1時間半ぐらい。6月頃だったのでそれなりに暑いのだが、生食ではなく、充分加熱して食べるので、特にクーラーボックスも不要なのか。
キャッチ・アンド・リリースに怒るお父さん
ガンユイ、チャオズイに限らず、中国人の釣りは基本、「キャッチ・アンド・イート」である。どんな小魚も逃さない。私は30cm未満のチャオズイを3匹釣ったが、全部逃してやると、同行していた釣友の父から随分と怒られたw。
息子が、「日本人や欧米人は、魚を釣っても逃してやる習慣があるんだよ…」と事情を説明するが、「そんなもん!間違っとる!間違っとるんじゃ!」と言って憤慨する。
お父さんは方言がキツくてイマイチ何を怒っているのかわからないのだが、釣友に聞いてみると、お父さんは「食べもしないのに釣るのは、魚を遊び半分に虐待している…生命に対する冒涜だ」という考えらしい。
これにはこれで一理ある。
お父さんは60過ぎだったかな。既に定年しており、田舎で暇を持て余しているので、上海にいる息子の家に、孫の世話をするついでに長逗留し、今回の釣りについてきたのであった。中国の田舎に住む人の率直な考えが分かって、これはよい経験だった。
他にも、香港の友人(30代)と一緒に釣りに行ったことがあるのだが、友人は私の釣りを見ているだけで、自分では釣りをしない。私が理由を聞くと、
「仏教を信仰しているので、無駄な殺生はしないのだ」という。
つまり、魚は食べるし、食べるために釣るのはわかるけど、食べもしないのに遊びのために魚を釣る、魚を傷つけ、死に追いやることもある…というのは、仏教的によろしくない…と考えるらしい。
ようするに、釣友のお父さんも、香港の友人も、根底にある考え方は一緒なのだ。
そういう中国人・香港人の独特の「考え方」を垣間見れるのも、釣り旅の面白いところである。