黒色中国BLOG

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【鯉釣り百匹】(1)なぜ鯉釣りなのか?中国の釣り事情について

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去年から中国での釣りを初めて色々試してみたのだけれど、中国でルアーで釣れる有名な大型魚のガンユイチャオズイなどは、そもそも釣れる場所まで行くのが大変であるし、なかなか釣れない魚だ。

中国で釣り場を求めて、ネットで調べたり、現地で話を聞いていると、釣り堀(結構各地にある)でも野池でも、生息しているのはコイフナの類、「四大家魚」と呼ばれるソウギョアオウオコクレンハクレンなどのコイ科の魚である。気軽に行けるような場所でも、これらは1メートルを越えるサイズも珍しくない。中国の多くの釣り師たちも、主にこれらの魚を狙っており、中国の釣具屋をのぞくと、これらの魚を釣る道具やエサがほとんどであったりもする。

中国で釣りをするにあたって、これらのコイ科の魚たちを敢えて対象から外すのも不自然な話である。大型の魚食魚を狙うのとは別に、中国の釣りの「一般教養」として、コイ科の魚たちを釣りあげる技術を身につけよう…と思ったのである。

【目次】

中国で普及している「台釣」とは?

中国で鯉を釣る時に用いられている方法は「台釣」と言われるものである。これは台湾由来なので、このような名前になっているそうだが、日本のヘラブナ釣りによく似ている。日本のヘラブナ釣りが台湾に伝わって、それが大陸にも伝わった…という話も聞くが定かではない。

プロマリン(PRO MARINE) CK341 アルミヘラ台 ミニ角型

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もしくはヘラ台を使うから「台釣」と呼ぶようになった…という話も聞くが、実際のところ中国で台釣をする人の全てがヘラ台を使っているわけではない。ただし、先に挙げたクーラーボックスを道具箱兼椅子として使うケースをよく見かける。高級なカーボンの竿を使い、繊細なアタリの取れるへら浮きを使用し、練りエサにもこだわって、竿掛けと道具箱兼座椅子が合理的に組み合わさるような、こうした道具と釣法をセットにしたものを「台釣」と呼んでいるようである。ただ、これが台湾式だとしたら、本来の中国式の釣り方はどうなっているのか?という疑問が湧いてくる。

上海でよく見かける釣り方

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上海の街中を歩いていると、水辺では必ずといって良いほど、釣りをしている人を見かける。この人達が釣っているのは小さいフナのような魚である。

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このように竿掛けを用いる場合もあるけれど、大体は使わない。ずっと手に持っていたり、適当に欄干にかけてあったりする。私が見る限り、竿や4m以上ぐらいの非常に柔らかいもので、あまり高級な竿ではない。仕掛けは大体がシモリウキである。つまり、小物釣りをやっているわけだ。

上海の街中を流れている川ではあまり大きな魚はいない。たまに、場所によって雷魚がいたりするそうだが、これは仏教を信仰している人たちの放生したのが野生化しているだけである。

こういう手竿を使ったシンプルな釣り方のことを「台釣」と呼んでいる人もいるけれど、ちゃんと「台釣」をやりこんでいる人に聞くと、アレは違う…というので、やっぱり違うのだろう。この上海街中手釣り系の人で、へらうきを使っている人はまだ見たことがない。

*  *  *  *  *

私が目下、中国の釣りで目標にしているのは、メーターオーバーのガンユイである。コイ科の魚はその合間に釣ろうと思っているので、道具類はガンユイ用のものを流用したい。それではまず、パンコイから着手して鯉釣りの経験を積もうではないか…と考えたのである。

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