パリの大規模テロで、世界各国でテロへの警戒感が高まっているようだが、数年前から中国でもテロや原因不明の爆発などが多発している。中国をあちこち歩いていると、至るところでテロ対策が実施されているのを見かける。
先日、上海で地下鉄を利用したら、乗り換え駅の構内でこんなものを見かけた。「化学テロ攻撃に遭遇したらどうするか?」というマンガによるテロ対策の解説である。その中身をご紹介しよう。
化学テロ攻撃に遭遇したらどうするか?
- 「吐き気、息が詰まる、痙攣、発疹などで気分が悪くなる」、「異常なニオイがする」、「捨てられた防毒マスク、容器、缶などがある」、「大量の昆虫の死骸、異常な植物の変化などの現象」
- 「化学テロ攻撃は常に異常なニオイや煙などを伴います」、「周囲の設備や持ち物などを利用して、身体を隠し、喉や口を押さえてください」
- 「なるべく風向きの垂直方向で汚染源から逃げる」、「緊急通報をして助けを求める」、「吐いたり、胃洗浄などで、早めに毒物を排出する」
- 「関係人員の指示に従う」、「関係部門と協力し、経過観察する」
この他、「地下鉄車両内で爆発火災が起きたらどうするか?」という解説マンガもあった。
地下鉄車両内で爆発火災が起きたらどうするか?
- 「非常ボタンを押す」、「厚手の衣服を用いて他の人の火を消す」、「消火器で消火する」、「身体に火がついたら、横になって転げまわる」
- 「新鮮な空気がある方向に注意して避難する」「冷静に順序良く脱出口から避難する」
- 「鼻をふさぐ簡単な防護物を探す」「避難時は必ず腰をかがめる」「視界がはっきりしない状況では、周囲のものを手探りしながら避難する」
- 「時刻、携帯物品、人物の特徴などを伝え、自ら警察の捜査に協力する」
日本でも、20年前にオウム真理教によるサリン事件があったけれど、日本の鉄道各社ではこのようなテロ対応の指導解説はあるのだろうか?テロが世界規模で発生している現在、日本でもこのような取り組みを進めるべきではないだろうか。