黒色中国BLOG

中国について学び・考え・行動するのが私のライフワークです

上海でガンユイ釣りに使われていたタックルを考察する

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2014年の夏、「ガンユイ」という魚を釣るために上海へ向かったのだが、どうやって釣れば良いのか、どんなタックルを持っていけば良いのかよくわからないまま、いつも日本でナマズやシーバスを釣る際に使用しているタックルを持っていった。

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▲写真上の魚は私が釣った「チャオズイ」。下は友人が釣った「ガンユイ」。チャオズイも釣って面白いが、ガンユイは1メートルを越えるのが普通にいる。私も一度掛けたけどバラしてしまった。掛かった瞬間、恐ろしい勢いでロッドが曲がり、水の中に引き込まれそうになった。目の前でアヒルのヒナが食べられるのを見たこともある。非常に獰猛な魚である。

私はこの年の夏に5回ほど、ガンユイの釣れる場所に行ってチャレンジしたのだが、チャオズイは釣れても、ガンユイは釣れなかった。ただ、この時の経験で、中国釣り旅がどんなものなのか、どんな道具を持っていけば良いのかがわかった。

今回は、その時の経験を整理しておこうと思う。

【目次】

ガンユイ釣りをやっている中国人はどんなタックルを使っているのか?

最初、上海のどこに行けばガンユイが釣れるのかわからなかったので、日本で使用しているシーバスタックルを持って上海のアチコチの水辺でルアーを投げていた。全く釣れなかったが、私がルアーを投げていると、次々に地元の人が寄ってくる。10人、20人、30人とやたら増えるw。

「こんなところで何が釣れるの?」

「ここに魚はいないよw」

と数人が同時に話しかけてくる。

ただ、そういう中に、釣り師もいて、「こんなところにガンユイがいるわけないだろw」と言って、懇切丁寧に上海の釣り事情を教えてくれた。

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▲彼が使っていたタックルはこれ。その後、他の釣り師とも知り合いになって、彼らの道具を見せてもらったが、大体は似通っていた。以下、まとめると…

  • 基本はベイトタックル。
  • ロッドは7フィートのミディアムヘビィの2ピース。6フィート台以下のロッドを持つ人は見かけなかったが、これはあくまでもガンユイ釣りを目的としている場合であって、ブラックバスを釣ってる人はこういうタックルを使わない。
  • ラインはPE2号以上。スピニングタックルの場合はPE1号。
  • スピニングタックルは予備で、ベイトタックルが壊れたり(私の釣行の際でもロッドを折る人が多かった)、同行する家族や友人に貸したり、軽いルアーを投げる時に使う。
  • リーダーを使う人と使わない人がいる。大体は使ってなかった。リーダーの太さは聞かなかった。
  • 上記のガンユイ釣りタックルをシーバス釣りに使う人もいた(上海の南の方で大きいシーバスが釣れるらしい)

使用するルアーは「水の色」に大きく左右される

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▲ルアーも見せてもらった。大体、他の人も似たようなルアーを使っていたが…

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▲スプーンかメタルバイブをメインで使う人が多かった。スプーンは最も軽いので7グラムでもっと重いものが好まれる。塗装などはなく金属の色そのまま。しかも、ギラギラと光るように表面を加工されているものが多かった。スプーンのフックにはフェザーをつけるのが基本?みたい。水の抵抗を受けてスローリトリーブでもちゃんと泳ぐようにしたいのか。メタルバイブの場合は後ろにブレードをつけるのが多かった。

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▲こちらなんか、全くそのパターン。

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▲メタルバイブのフェザーフックをつけたもの。色は自分で塗ったらしい。

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▲この人は、「ガンユイには赤い色が効く」と言っていた。

この他にも、多くの中国人釣り師にガンユイ釣りのタックルを見せてもらったが、大体似たような感じだった。あちらの釣り雑誌で見ても似たような感じだったかな。

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▲上海周辺の水辺はどこも、カフェオレみたいに水が濁っている。水中の視界が悪いわけで、本物そっくりのリアルな塗装のルアーを使っても魚にはほとんど見えていない。細かいアクションで誘っても魚には見えてない。濁った水の中で、よく目立つように、メタルバイブとか、ギラギラ光るスプーンが愛用されるのと、大きな川とか池で釣りをするにあたって、足場が悪いことが多く、ポイントまで近づくのが容易ではない。広範囲に探れるようにロッドは7フィート以上、ルアーは重くて良く飛ぶもの…が好まれるようになったみたいだ。

だから、私も現地で7フィートのロッドを買い、フェザー付きの重いスプーンやメタルバイブを使ったが、運が悪いのか、ガンユイは一度も釣れなかった。

ただ、1度だけガンユイを掛けた時は、大きめのワームをノーシンカーで使っていた。

みんなが重くて派手なスプーンやメタルバイブで叩きまくるので、大きめのワームをノーシンカーで使うと、新鮮味があって食いついたのだろうか。ただ、これはたまたま偶然、ポイントが岸から近い場所で、飛距離が必要なかったのだが。

Aliexpressや、最近の日本のAmazonで中華製ベイトロッドを探していると、7フィート台、8フィート台のものが充実しているのに気づく。たまに9フィート以上のものもある。日本では7フィート以上のベイトロッドは数が少ない。日本ではロッドアクションをつけて、ルアーを巧みに操作する「テクニカル」な方向に行ってしまうわけだが、中国では先述のように水が濁っているので、タダ巻きでも目立つ色や大きなアクションのルアーが好まれ、ロッドアクションをつける必要がなく、遠投性重視のため、長いロッドが好まれるようになったのだろう。

中国に行けるようになれば、ガンユイの他に、黒龍江省の2メートル級の大鯰、他の地域にもいる大鯰(湖南省や雲南の方にもいるらしい)、中国のどこにでもいる鯉やソウギョなども釣ってみたいと思っているのだが、荷物を減らすために、なるべくそれらを兼用のタックルで狙えるようにしておきたい。そういう「大陸仕様」のタックルを使って、日本でメーターオーバーの魚を狙う…というのが、最近の私の目標である。

ランディング・ギアをどうする?

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▲それとランディングギアだが、中国でランディングネットやフィッシュグリップを持っている人を見かけるのは稀で、ギャフが主流だった。基本的に、あちらは「キャッチ・アンド・イート」なので、活かしたままランディングする必要がないからだろう。

日本で釣り旅をする時に悩ましいのはランディング・ネットで、大物を狙うとなれば、それ相当に大きなネットが必要になるが、嵩張って非常に邪魔である。ギャフも上手く使えば、魚に致命傷を与えず済むそうだが、そもそも日本でギャフなんか持ち歩いていたら、銃刀法違反で捕まるのではないか?w。日本国内で鉄道や飛行機に乗る時に、ギャフは問題にならないのだろうか?

それと気になるのは、「フィッシュグリップは機内持ち込みできるのか?」ということ。以前私が中国で釣り旅をした際は、預け荷物に入れていたから問題はなかった。今後、日本や中国で飛行機を利用して釣り旅をする時は、費用を節約するためにも、機内持ち込みにしておきたい。以前、航空会社に電話で聞いたことがあるのだが、電話に出た女性に、フィッシュグリップが何なのか理解してもらえなかった。その時の担当者や、空港や税関職員の判断にもよるのでは?という回答だった。上海に釣りに行くのなら、フィッシュグリップは簡単に手に入るので問題はない。ただ、黒龍江省の国境付近にフィッシュグリップを売っているものだろうか?これらの疑問点については、後日改めて調べてみようと思う。

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▲こちらの64頁にガンユイ釣りの記事があるけど、タックルに関する詳細はない。トップウォータールアーが効果的であるとだけ書かれ、大きなポッパーでガンユイを釣り上げた写真が掲載されている。私が上海で知り合った釣友たちも、ポッパーは効くと言っていたが、私の目の前で現地の釣友たちが釣り上げた事例でいえば、ポッパーは1度もなく、毎回スプーンでヒットさせていた。私はワームでヒットさせたが、現地の釣り師に聞いてみると、そもそも中国人はガンユイ釣りにワームを使わない(売ってはいるけど)。ワームについても詳しくなかった。ガンユイの釣り方は、中国人が気づいてないだけで、今知られている以外に、いろんな方法があるのではないだろうか。