黒色中国BLOG

中国について学び・考え・行動するのが私のライフワークです

満蒙国境の大ナマズ伝説

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コロナで騒然としていた中国から香港へ抜けて、日本に戻ってきて半年以上が経った。

今後いつ中国や香港へ行けるかもわからず、自分の人生の中で、「将来の予定」が、ぽっかりと空白になってしまった。

コロナがなければ、中国や香港でやりたいことがたくさんあった。

その内の1つが「釣り」であった。

メーターオーバーを釣り上げるため

そもそも、2014年に釣り旅をやっていたのは、メーターオーバーの魚を釣りたい…という長年の夢を叶えるためだった。とりあえず香港で巨大ナマズは釣ったけど、夢に20cm足りなかった。

その後、仕事が忙しくなって、ずっと延期していたけど、夢をあきらめたわけではない。

今年の1月に中国へ行っていたのも、釣りの下見をするためだった。

今も黒龍江省に2メートルのナマズがいる!

コロナが完全収束しない中で鬱々としていたところ、ツイートしたニュースに巨大なナマズの写真が含まれていた。

 私が読んだ「何かの本」とは、佐藤垢石の『鯰』である。

鯰

  • 作者:佐藤 垢石
  • 発売日: 2012/10/05
  • メディア: Kindle版
 

 日本内地では、一尾で一貫五、六百匁に育ったのが、一番大物であろうと思う。ところが、満洲には頗る大物がいる。殊に、満蒙国境のノモンハンに近いホロンバイルの達𡃤湖には一尾で十貫目、六、七尺の奴が棲んでいるのであるから驚く。こんなのを鈎にかければ、人間が水のなかへ引き込まれて竜宮行となることは請合いだ。

(佐藤垢石、『鯰』)

「十貫」は37・5kg。「7尺」といえば213cmである。

 

これを読んでから、事情に詳しい中国人や釣りをする日本人に片っ端に聞いてみたけど、

「今の中国にそこまで大きい鯰はいないだろう…」

「佐藤垢石が書いているのは戦前のことでは?」

「今のホロンバイルは水質汚染や水位の低下で魚が減っているからなぁ…」

…というような、ガッカリする答えしか得られなかった。ただ、新華社通信のニュースを見るに、あの写真の大鯰はどうみても2メートル近くある。アレ以上の大物も、普通にいそうな気がする。黒龍江省の同江市といえば、さほど遠くもない。ホロンバイルじゃないけど、旧満州の国境地帯には巨大魚が今も生息しているのである。

それ以来、

「中国へ自由に行けるようになったら、すぐに黒龍江省へ行くぞ!」

…というようなことばかり考えているのだが、実は2014年に香港でアフリカンクララを釣った時は、ロクな準備も計画もなく、インパール作戦並みの強行軍をかけ、全身がまだら模様になるぐらいに虫に刺されて熱を出しながらも、体力勝負で粘り続け、最後の最後にバンザイ突撃でなんとか偶然釣り上げたようなものだった。

そしてタックルも限界ギリギリで、丈夫なグラスロッドが手元からググッと、まるで強風に煽られるススキのようにのされ、リールが悲鳴を上げて全く動かなくなるのを見て寒気がした。

私に2メートルの大鯰は釣れるのか。

いつになったら黒龍江省へ行けるのか。

それを考えている内に、とりあえずは日本にいる間に、なるべく大きな魚を釣って、黒龍江大鯰を釣る「予行演習」をしようではないか…そして、その全貌をブログに記録しておこう…と思ったのである。

超米戦記

いま、黒色中国にはツイッターで5万8千を越えるフォロワーがいるけど、釣りネタを喜んでくれるのは3人ぐらいしかいない。釣りネタをツイートする度にフォロワーがゴソッと減る。あれってなぜなんでしょうね?w

黒色中国は普段、ニュースのツイートを専門にしているわけで、それが読みたくてフォローしている人にとって、「釣りネタ」はただのノイズに過ぎないのか。今まで釣りネタをツイートしてフォロワーが減っても、増えたことは一度もない。

あまり「フォロワー数」の増減に敏感になりすぎて、書きたいことを自主規制するのは、良くないとは思うものの、ツイートしてフォロワーが確実に減るとわかりきっていることを、敢えて継続的にやろうとするのも、辛く切ないものである。

だからネットでは書かず、自分ひとりで勝手にやってれば良いではないか。そもそも、自分の個人的な趣味を、いちいちネットで報告せねばならないものでもないだろうに…とも考えたのだが、ツイッターで今まで私の釣りネタを待ってくれていた3人に不義理するのも気が引けるし、実はブログだと私の釣りネタは、そこそこのアクセス数があるのだ。私のやってることがあまりにニッチ過ぎて、一定数いる「ニッチな釣り趣味」の人が検索経由で流れ着くのだろうか。

中国で、釣り堀以外の場所で、1メートルを越す巨大魚を釣りたい!最新鋭のハイエンドなリールではなく、古臭いアブのリールを自分でメンテし、カスタマイズして巨大魚を釣りたい!…というのは、他にやってる人が多くない。

ただ、それだけに、同じようなことに取り組んでいる人にとって、私のやってることの中に、役立つ情報もあるだろうから、余すこと無くブログに記録しておこうと思った。ツイッターでは更新情報だけ流して、あちらではなるべく釣りネタは書かないことにする。そして、一連の釣りネタを、「超米戦記」と名付けることにした。「超米」は、「メーターオーバー」を意味する中国語である。