黒色中国BLOG

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『干麻婆豆腐』(ガンマーボードーフ)について

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旅をしていない時は、ほぼ毎日のように自炊して、中国料理を作っている。

高校生の時にレシピ本を買って、最初に作ったのが麻婆豆腐だった。無論、「麻婆豆腐の素」を使わずに、豆板醤と甜麺醤で作るものである。子供の頃から麻婆豆腐は好きだったけど、中華料理店で食べるのではなくて、一から自分で作ってみると、やはりこれは感動する。好きな調味料や具材を入れて、自分好みの味を作れるのが楽しい。

そういう経緯もあって、今でもしょっちゅう麻婆豆腐を作っているけれど、最近ハマっているのが『干麻婆豆腐』(ガンマーボードーフ)である。

【目次】

干麻婆豆腐の作り方

『干麻婆豆腐』は、私の勝手な造語である。

『干』(ガン)は、中国語で「ドライ」という意味であり、四川料理に『干鍋』(ガンゴウ)と呼ばれるスープ少な目の鍋料理がある。それにならって名づけた。つまり、『干麻婆豆腐』とは水分少な目の麻婆豆腐のことである。

水分少な目にすると、ひき肉の旨味を余すこと無く凝縮できる。その上で「旨味」を豆腐にじっくりと吸わせる…濃厚な味わいを楽しめるわけだ。

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▲まず、ひき肉を炒め、豆板醤、甜麺醤を加えて、味付けなどもして麻婆豆腐の「ベース」となる部分を作る。片栗粉も予め入れているが少な目である。歯応えに変化を持たせるためタケノコの水煮も入れている。水はたぶん100ccぐらいしか入ってないと思う。フライパンにまんべんなく行き渡るぐらいで充分。水が少なすぎると焦げ付いてしまうので要注意である。

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▲豆腐を投入。使用しているのは木綿である。このように「切り餅」のような形状に切って、「ベース」の上に敷き詰める。だから、中華鍋よりもフライパンの方が良い。

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▲水分を逃がさないようにフタをして、弱火でじっくりと過熱する。豆腐から水分が出るので、「ベース」の水が少なくても大丈夫だが、少なすぎるとひき肉がこげてしまう。それを恐れて水を足しすぎると水っぽい味になってしまう。このあたりの調整が難しい。

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▲豆腐を裏返しながら、豆腐表面の状態と下のベースの水分を注意して観察する。豆腐を何度もひっくり返すので、木綿でないと豆腐が崩れてしまう。あんまり薄切りでも崩れやすくなる。かといって厚すぎても火が上手く通らず、味も奥まで染み込みにくい。

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▲豆腐を置いた位置によって、加熱の具合や、味の染み混み具合が違うので、裏返す時に表面の状態を見ながら、場所をローテーションする。

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▲豆腐の表面が、両面共にキツネ色に仕上がれば出来上がり。

みりん、ネギ、紹興酒、ゴマ油

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▲これは一応の「成功例」。少し水分が多目だったが、これはタケノコの水煮の水分が出たのだろう。

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▲麻婆豆腐を作る時に、通常は砂糖を加えるが、私の場合はみりんを使っている。みりんを使うと全体の「照り」が鮮やかに仕上がるし、甘みもキツくなり過ぎない。

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▲豆腐一丁(約300g)に対して、ひき肉は200gを使用している。私は豚のひき肉を使用しているが、合い挽きでも美味しいかも知れない。

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▲干麻婆豆腐は、濃厚な味だが、しつこすぎるところもあるので、私は白ネギをザク切りにしてタップリと加えるようにしている。写真をよく見ると何かがかかっているのがわかると思うが、それは紹興酒ゴマ油である。

一般的には麻婆豆腐に直接加えるが、それだと香りがイマイチになるので、私はザク切りの白ネギの上にふりかける。白ネギに染みこむので、この方が香りを楽しめる。紹興酒が嫌いな人とか、子供に食べさせる時には紹興酒は入れないことにしている。

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▲こちらは失敗例。タケノコの水煮をから炒りして、水分を飛ばして、限界まで水分少な目にしたのだが、これは美味しくなかった。水分が少なすぎると、ひき肉が固くなりすぎるし、味も感じにくいのである。豆腐を充分に加熱しながらも、ひき肉を焦がさず、ほどよい水分が残る程度におさえるのが難しい。

『干麻婆豆腐』は水分が少ないが、調味料の量が増えない。むしろ一般的な麻婆豆腐よりも少な目ではないだろうか。それでいて、香りも味わいも格段に向上するし、豆腐の食感が日本人好みになると思う。干麻婆豆腐は、特別な材料や調理法を必要とせず、いつもの麻婆豆腐を作るのと同じ素材で、ちょっと作り方を変えるだけで出来る。麻婆豆腐好きの人にぜひ試していただきたい一品である。

Cook Do 広東 麻婆豆腐 3-4人前

Cook Do 広東 麻婆豆腐 3-4人前

▲豆板醤、甜麺醤が手元にない時は、これを使っている。他の「素」も色々試してみたけど、これはかなり出来が良いと思う。オイスターソースが入っているからであろう。黒色中国のオススメである。

昆布と豚ロースの干麻婆豆腐

▲ツイッターで紹介したところ好評だったので、こちらにも掲載しておきます。

鍋のダシを取った後の昆布を残しておいて、それと一緒に鍋で余った豚ロースのスライスを千切りにしたのを刻んだ昆布と一緒にごま油で炒め、豆板醤と甜麺醤を加えた後に、切り餅のような形状に木綿豆腐を切ったのを入れて焼き色を付け、鍋のダシの余りを少しづつ加えながら煮詰めて作ったのがこれです。

実は豆腐も鍋の余り物でして、要するに、鍋の余り物で麻婆豆腐を作ったわけですが、これがなかなかの上出来でした。とりあえず、肉と豆腐を押さえておけば、後は何を入れても上手くまとまるのが麻婆豆腐の良いところなので、色々と試しています。

「美味しい麻婆豆腐」は「辛い」以前に、「旨味」がないとダメなので、ダシにこだわるのはアリですね。そういう意味で、昆布は麻婆豆腐によく合います。

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