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ファーウェイ創業者の「軍歴」とはどんなものか?

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 最近、毎日ニュースで報じられる「ファーウェイ」という中国企業…創業者が解放軍出身者というのは有名な話で、だからファーウェイはアブナイ!ヤバイ!…という話をする人がいるわけですが、そもそもファーウェイ創業者の軍歴とはどんなものなのでしょうか?

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▲ファーウェイ創業者の任正非さん

まずは日本語のウィキペディア

1944年 、中国貴州省鎮寧県(現・安順市鎮寧プイ族ミャオ族自治県)生まれ。両親は教員であったが、父は文革で迫害を受ける。重慶建築工程学院(現:重慶大学)を苦学して卒業。1978年まで人民解放軍に所属。

ファーウェイ創業者の任正非さんは22歳で大学を卒業し、すぐに入隊したのなら1966年か1967年頃ですから、12年間近く軍にいたことになりますね。でも、アッサリしすぎた解説なので、これをすぐに信じるわけにはいきません。

百度百科によると…

▲こちらによると…

1963年就读于重庆建筑工程学院(现已并入重庆大学),毕业后就业于建筑工程单位1974年为建设从法国引进的辽阳化纤总厂,应征入伍加入承担这项工程建设任务的基建工程兵,历任技术员、工程师、副所长(技术副团级),无军衔。任正非也因工程建设中的贡献出席了1978年的全国科学大会和1982年的中共第十二次全国代表大会。1987年,任正非集资21000元人民币创立华为技术有限公司,1988年任华为公司总裁。

  • 1963年に重慶建築工程学院に入学
  • 卒業後、建築関係で就職。
  • 1974年にフランスから導入した瀋陽化繊総廠の建設のため、招集に応じてこのプロジェクトの工程兵となり、技術者、エンジニア、副所長(技術福団級)を歴任するも軍での階級はなし。
  • 1978年、プロジェクトでの貢献を認められ全国科学大会に出席。
  • 1982年、中共第十二次全国代表大会に出席。
  • 1987年、21000人民元の資金を集めて、ファーウェイを設立。
  • 1988年、ファーウェイの総裁に。

日本語版ウィキペディアの「1978年まで人民解放軍に所属」という情報が正しければ、ファーウェイ創業者の「軍歴」は1974年から1978年までの4年間ですね。大学卒業後は建設関係のお仕事をされていた。その腕を買われて、招集に応じて、軍のエンジニアとしてプロジェクトに参加したけど、正規の軍人ではないので、階級はなかった…というわけです。

解密華為(ファーウェイの秘密を解きあかす)

▲こちらは永井麻生子さんが書かれたコラムで、『解密華為』(ファーウェイの秘密を解きあかす)という本に書かれている任正非さんの経歴を取り上げているのですが、

1968年に大学を卒業した任正非は軍隊に入る。当時、人々に最も尊敬される「解放軍兵士」となったのだ。その後1982年に除隊するまでの生活は彼のその後の思考法にも大きく影響している。

▲こちらによれば12年間は軍にいたことになります。

私はこの『解密華為』を読んだことがないので、詳しいところはわかりませんけど、これだけ経歴が定まらない人もめずらしいですね。

私も適当にググって(一部、バイドゥって)並べているだけないので、イイカゲンなものですが、とにかく現段階で言えるのは

  • とにかく任正非さんは大学卒業後に軍に所属していた。正確な年数はわからない。
  • たぶん「階級がない」というのは本当ではないか。
  • 「軍人」としての能力よりも、「エンジニア」としての腕を買われていたのは確か。
  • 中共第十二次全国代表大会に出席するぐらいなので、軍との関係はともかく、党と関係の深い人物であるのは確か。

…ということではないかと思います。

もともと建設が専門分野で、軍や国家との関係が深いプロジェクトに携わってきた人が、なぜ深センで通信事業の会社を創業したのか。任正非さんやファーウェイについて触れた本がいくつかあるので、それらを当たった方が良さそうですね。 

中国新興企業の正体 (角川新書)

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任正非の競争のセオリー ファーウェイ成功の秘密 (CHINESE DREAM)

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  • 今日の発見 「ファーウェイ」は知名度が高い割に、経営者がどういう人なのかよく知られていない(根拠不明な噂は多い)ので、ちょっと調べてみたわけですが、あの界隈の皆さんにはあまりうれしくなかった記事のようです。ブログって難しいですね。