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【香港のご飯物】(3)香港ローストご飯の最高峰・鏞記(ヨンキー)でテイクアウト

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香港に住んで、毎日色んな店のチャーシュー飯やぶっかけ飯を食べていた頃、「香港で最高の焼味飯(ローストご飯)ってどこで食べられるんだろうか?」というのが気になり始めた。

どんなものにでも「最高峰」というのはあるものだ。特に飲茶とか広東料理だったら、最高峰と呼ばれる店はいくつかある。

それから、尖沙咀の方に炭焼きのローストものを作っている店があると聞いて行ってみた。香港では衛生管理などの法令が厳しくて、一酸化炭素中毒を起こすかも知れない炭を使った調理には規制がある。この店は客席と厨房を別棟にして炭焼きをしているとか聞いた。しかし、炭焼きの香りは良いものの、本題の「味」はあまり優れたものとは思えなかった。

そこで香港人の友人に聞いてみたら、一も二もなく「最高峰の焼味飯?そりゃヨンキーでしょ」と教えてもらった。

https://www.instagram.com/p/BGTheY_kEkE/

ガチョウのロースト」で世界的に有名なレストランである。 こんな高級店に行けばそりゃ美味しいだろうけど、料金が…と躊躇していたら、「持ち帰りのお弁当は安いよ」と教えてもらった。写真の右手に正面玄関が見えるけど、左側(この写真では切れている)にお持ち帰り専門の玄関があって、そちらに行けば安くお弁当を購入できるようになっている。

安い」と言っても、ローストを3種類つけてピータンとスープを合わせると、100香港ドルぐらいになったと思う。

https://www.instagram.com/p/BGThvnnEEkU/

最高峰」の焼味飯は、どれも「中庸」というのか、 キレイに焼き上げられていて、香ばしさを引き立たせるために過剰に「焦げ」をつけたりしない。不自然な「照り」をつけたりもしない。ガチョウのローストの美しさは、飴色の宝石みたいで、眺めていると食べるのが勿体無いと思うほどだ。

どれも程よい焼き上げ、程よい味。本来は焼味飯は庶民の味なんだろうけど、ヨンキーのローストはどれも上品で京風懐石みたいだ。素材の味を引き出すための適切な調理と味付けだけを行っている。

「一世紀タマゴ」とは?

https://www.instagram.com/p/BGTiY5xEElH/

それと、ヨンキーは、ピータンで有名である。ピータン嫌いの人にも、ここのピータンだけはオススメしたい。ピータン独特の嫌な臭みがしない。殻を剥くと、写真のようにキレイに透き通っていて、これまた宝石のように輝いている。食べると中の黄身はトロっとしている。

英語でピータンのことを「センチュリーエッグ」(一世紀タマゴ)と呼ぶらしい。西洋人からすると100年前の古いタマゴに見えるのだろうか。でも、ヨンキーのピータンは、新鮮そのもので、これは加工して作られたのではなく、こういうタマゴを生む鳥が世の中にいて、厨房の裏で産みたてのタマゴをお弁当箱に入れてくれたのではないか…と思うほどだ。

* * * * *

私が香港にいた頃、セントラルあたりで昼時に時間があって、お天気がよければ、ヨンキーのお弁当を買い求めて立法会の前の噴水のそばでよく食べていた。

傍目には公園でお弁当を食べる貧乏人だが(こんなことをしているのは他にフィリピン人のお姉さんぐらいしかいなかった)、お弁当は香港で最高峰の高級品で、場所は香港の政治経済の中心である。今思うと、本当に贅沢で愉快な昼食であった。

【香港のご飯物】(全5回)

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