▲第1回でも書きましたが、とにかく40年ぐらい前の古いカメラなので、アチコチ手を加えてやる必要があります。そこで、最もカンタンなファインダー清掃から始めて見ることにしまいた。
▲フォーカシングスクリーンに取れないホコリや液体?のシミみたいなのがたくさんあります。こういうのは分解してやらないとキレイにできません。
【目次】
(1)必要なもの
精密ドライバー
ベッセル(VESSEL) 精密ドライバーセット +2本 -4本セット TD-56
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▲百均で売ってるようなものでも充分です。
ルーペ
▲この手の細かい作業をする時はルーペで作業箇所を確認した方がいいです。たとえば精密ドライバーがネジ山と本当に合っているのか?細かい部品がどのように取り付けられているのか、チェックした方がミスを防げます。私はネガチェック用に使っているPEAKの10倍ルーペを使っています。
精密ピンセット
ホーザン(HOZAN) ピンセット(強力型) ツイーザー 厚肉、高耐久仕様 材質ステンレス 全長125mm 先端幅0.25mm P-894
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▲細かいネジを取り付けたりする時に欠かせません。それとレンズ清掃の時にシルボン紙を巻きつけるのに使ったりするので1本あると便利です。
ブロアー
これはカメラやってる人なら誰でも持っているでしょう。一般的な手で押して使うのでOK。ダストブロアー(缶に入っているアレ)は強力すぎて、思わぬところにゴミが入り込むかもしれないので使わない方がいいです。
綿棒
ブロアーで飛ばしきれないゴミや汚れは綿棒で拭き取ってやってください。カメラ清掃用の先細型があると便利です。
とはいえ先細型は高価なので、百均の普通の綿棒と併用して清掃箇所に合わせて使い分けています。
中性洗剤、歯磨き粉
食器洗い洗剤の説明書きを見てください。「中性」と書いてあればOK。歯磨き粉は研磨剤が入っているので使うのですが、あまり荒い研磨剤が入っていたり、大量に入っているもの、塩入りのものは使わない方がいいと思います。
レンズクリーニングペーパー、レンズクリーニング液
これも写真やってる人なら皆さんお持ちでしょうが、6x6版のフォーカシングスクリーンやらミラーを拭くとなれば結構大きいので、通常のレンズクリーニングペーパーよりも
Kenko クリーニング用品 ハイテククリーニングペーパー 140×170mm 10枚入り 2個セット 872017
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▲こちらの方が厚手でシッカリしてて使いやすいです。ティッシュは繊維が残るし、フォーカシングスクリーンやミラーを傷つける可能性があるのでやめた方がいいです…っていうか、カメラ系全般でティッシュペーパーの使用はやめた方がいいです。
(2)ピントフードを外す
▲海鴎4Bのピントフードは四隅のネジ4本で止まっているだけなので、精密ドライバーでネジを外せば、すぐに本体から分離できます。
この時に気づいたのですが、4本の内の1本のネジがユルユルで全然止まってませんでした。本格的に使い始める前にわかってよかったです。
(3)内部の状態
▲何やらお菓子のクズ?みたいな細かいものがたくさん入ってました。ブロアーで吹き飛ばしたらキレイになりました。
ミラーは意外と良い状況ですが、アチコチにホコリやクモリ、軽いカビ?みたいなのが見えました。
上の写真ではちょっとピンぼけですが、両脇を押さえているネジを外せばミラーはすぐに取れます。
▲ミラーを取るとこんな感じ。底に見えるのはフォーカシングのギアを駆動させている真鍮の棒でこれは全面的にグリスが塗られていました。ここの動きがもう少し軽くなめらかになったらなぁ…と思うのですが、今回ここはいじらないことにしておきます。
(4)ミラー洗浄
▲ミラー。とても薄くて落としたらすぐに割れそう。取り扱い要注意です。表面を向けてもカメラが写り込むだけなので、裏面で撮影しています。
ミラーはまずは水洗いして、中性洗剤をかけて指でフキフキして、また水洗い。それとカビが気になったので、歯磨き粉をちょっとつけて磨いてやりました。歯磨き粉の中には研磨剤が入っているので、シツコイ汚れを取る力があります。
ミラーは吸水性がないのですぐに乾きますが、水滴がシミにならないようにレンズクリーニングペーパーで拭き取ってやりました。ティッシュペーパーで吹くと、ミラーにたくさんティッシュが付着しますのでNGです。
(5)フォーカシングスクリーン洗浄
▲四隅のネジを抜くと、ファインダーはこのように外れます。
▲ひっくり返すとこんな感じ。上下を板バネで止めているだけです。
▲マイナスの精密ドライバーで少しこじるとカンタンに取れます。取り外しの時はルーペで、これがどうやってフォーカシングスクリーンを止めているのかを観察してください。そうすれば間違いなく外せるはずです。
▲取り外したフォーカシングスクリーン。単なるすりガラスです。これも水洗い⇒中性洗剤⇒水洗い⇒歯磨き粉⇒水洗い…でキレイになりました。
フォーカシングスクリーンを取り付ける時に気をつけなくてはいけないのは、薄い赤線で書いているのはセミ版(6x4.5)撮影の時に目安となる線ですが、これはよく見ると横線が少し上の位置にある…フォーカシングスクリーンに対して完全に中央になるように引かれていないのがわかりますか?これって二眼レフのパララックス(視差)を補正するために少しずらしているわけです。ファインダーに取り付ける際はセミ版用の横線が下よりになるようにしてやります。
(6)ピントルーペ清掃
▲ピントルーペも表裏しっかりと磨きました。これはレンズクリーニングペーパー+レンズクリーニング液で充分です。
(6)ミラー取り付け
▲実はミラーの後ろにはこういう板バネがありました。中央に突起があるのが見えますか?この突起を…
▲中央の穴があるところにはめ込んで、その上にミラーを置きます。板バネがミラーを弾いてしまうので、指で押さえながら、両脇をネジで止めれば完了。
この作業の時には精密ピンセットが必要です。
ミラーを押さえるネジは小さいし、ミラーとネジの間にプラスチック?みたいな素材のワッシャーを挟んでやる必要もあり、精密ピンセットなしでは作業不可能です。
▲取り付けが完了したところ。ミラーはピッカピカで、まるで新品状態!この上にフォーカシングスクリーンをセットしたピントフードを乗っけて四隅をネジ止めしてやれば出来上がりです。
(7)清掃の結果は…
撮影が難しいので、清掃前後の比較写真はありませんけど、清掃の結果、スッキリ明るくなって、フォーカシングスクリーンの見え方は非常に良くなりました。こんなにキレイになっていいのか!というレベルです。
二眼レフは大体が何十年も昔に作られたもので、完全にオーバーホールされているものを手にすることも少ないので、「見えにくいのが当たり前」と思っているわけですが、ちゃんとフォーカシングスクリーンとミラーを清掃したら、こんなに見やすくなるとは予想外でした。
とりあえず何本か撮影したら、スプリットイメージのフォーカシングスクリーン(真ん中が斜めに割れててピントが合わせやすいアレです)に交換しようと思っていたのですが、今回の清掃で必要ないかな?と思うぐらいに見やすくなりました。
二眼レフのファインダー系は結構いじり甲斐がありまして…
▲フレネルレンズを入れて明るくしたり…
▲ミラーを入れ替えるのも出来るみたいです。
この手の工作にも今後チャレンジしてみようと思いますが、この手の清掃・改造を躊躇なく手軽にできるのも海鴎の二眼レフの良いところです。うっかり壊すことがあっても3000円ぐらいで中古が買えてしまいますので。私は一応、ローライフレックスも持ってますけど、恐れ多くてココまでの清掃をやったことはありません(^^)