表題の件、YOUTUBUの動画で見つけましたので、関連情報と共に要訳を掲載しておきます。
【目次】
ソースになっているサイト
動画からいちいち内容を読むのは面倒なので、ソースの確認と並行して調べてみると…
▲YOUTUBEの動画を見ると、「パキスタン・ディフェンス」というサイトの掲示板にソースがあるとのことで、早速確認しましたが、こちらの掲示板のソースはなんなのか …
https://nation.com.pk/07-Jan-2019/pak-army-makes-envious-world-record
▲「ネイション」というパキスタンのニュースサイトが2019年1月7日付けで掲載した記事「pak army makes envious world record」がソースのようです。
ただし、既に記事は削除されています。
中国語での報道
▲こちらは「パキスタン・ディフェンス」の情報を受けて、今年1月10日に中国の「福特網」に掲載された記事。
以上、要訳すると…
海抜12000フィートの雪峰
▲戦車の横に「12000フィート」の表示。つまり、この地点が海抜3675メートルの地点であることを示しています。
動画によると、これは戦車が到達した世界最高の記録になるのだとか。この件については後で触れます。
戦車は69-IIMP型
写真に出てくる戦車は中国が前世紀90年代にパキスタン向けに開発した「69-IIMP型」
▲ウィキペディアを見ると
69IIMP式(BW-121J)
69IIM式のパキスタン向け改良型。69IIAP式とも。パキスタンでノックダウン生産される。
とあります。
▲英語になりますけど、こちらに詳しい情報があります。
場所は?
パキスタンとアフガニスタンの国境だそうですが、上掲の中国語記事では正確な場所が定かではありません。
▲こちらを見ると
据报道,这辆巴基斯坦陆军的69-IIMP主战坦克被部署在了布雷克-穆罕默德-坎道山口(Brekh Muhammad Kandao Pass),这里巴基斯坦科伊-沙非德山脉(Koh-i-Safed)的一部分,与阿富汗楠格哈尔省的托拉博拉山(Torra Bora mountains)相对。
パキスタンのコイ・サフェド山脈にあるブレク・ムハンマド・カンダオ・パスに配備されているものみたいです。
▲地図で見るとこんな感じ。ちょっとわかりにくいですけど、パキスタンの西側にあたり、東西に伸びる山脈を挟んで、アフガニスタンと国境を接しております。ここから北へ進めばアフガニスタン。少し北へ進んだところにジャララバードが見えます。
こちらの記事によると、ラサ(チベット)や楚雄(雲南省)も海抜3675メートルだけど、パキスタンのブレク・ムハンマド・カンダオ・パスは険しい山の中なので、非常に到達しにくい…そんな場所に戦車を配備するのは容易ではない…中国製戦車の信頼性を証明した!という内容になっています。
1990年代にパキスタン向けに生産された戦車
ところで、この「69-IIMP型」戦車って、いつ頃開発されたものなのだろうか…と気になったわけですが、上掲の記事から抜粋すると
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1988年に69-IIA型戦車を元に69-IIM型(WZ121H)型戦車を開発を始める。
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69-IIM型戦車は1989年8月に3両を試作、1989年から1990年3月にかけて、617工廠にて少量を生産。
- 69-IIMP型は、パキスタン陸軍のために中国北方工業公司にて生産されたもの。1989年12月に5両を試作。1991年末から量産を開始。
…とあります。69-IIMP型は全部で250両が生産されたそうです。
今から20年ぐらい前に生産された中国製戦車がそんなに優秀で、今も現役で高海抜の険峻な山の上でも運用できるものとは、大したものだなぁ…と改めて感心しました。
ただ、これってもう2ヶ月ぐらい前のニュースになるのですけど、この後でパキスタンとインドがモメ始めるわけで、アフガニスタンとの国境地帯の高海抜地域に戦車を配備してみせたのは、対インド向けのアピールだったのかなぁ…とも思えたのでした。
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- 今日の発見 1989年とか1991年といえば、私が中国に留学する前になるんですけど、その当時から中国は、こういうちゃんとした戦車を開発できる国だったんだなぁ…と今更ながら知りました。何はともあれ、「敵を知る」のは大切ですね。