グリップのフラットサイド化は出来ましたので、ついでにフィンガーグルーブをつけようと思いました。
フィンガーグルーブとは?
オピネルはシンプルなフォールディングナイフなので、グリップとブレードの間はブレードロックがあるだけです。これだと使用している際にうっかり滑って手がブレードに触れて怪我する恐れがあります。
刀のように鍔(つば)があれば、手が滑っても大丈夫。そういうフォールディングナイフもあるんですけど(ヒルトロールアップというタイプがあります)、後から工作してつけるのはほぼ不可能です。でも、
最近は、フォールディングナイフでも、このような「凹み」がつけられているものが多く、凹みに指をかけると滑りにくくなります。これがフィンガーグルーブ(finger groove)です。
そこで、我がオピネルでも、グリップを削って凹みをつけてやれば、使用時の安全性が増すのではないか。
それと、昔、チベット人の家で数日暮らしたのですが、電気が通っていなくて、夜は小さな煮炊きの火(しかも燃料は牛糞)だけを頼りに夕食を作りました。その時にうっかりビクトリノックスのブレードを握って怪我しそうになりました。
フィンガーグルーブがあれば、暗い環境でも握りの位置がハッキリわかりますから、そういう事故を防げるのでは…と期待するわけです。
フィンガーグルーブの位置
色んなナイフを参考にしてみると、
バックの110FGなどは、全面的に緩やかなグルーブをつけています。こうするとデザインを大きく変えることなく滑り止めの効果が得られるわけです。
ただし、加工が面倒そうです…
そこで、グリップの一番先側、ブレードロックの下に、1つ大きめの凹みをつけてやることにしました。
しっかりした大きめのヤスリが必要
最初は、家にあったダイヤモンドヤスリの半丸型を使って見ましたが…
これだけ削った時点で、もう使えなくなりました。
すぐに目が詰まってしまうし、ヤスリの効果も失われてしまうのですね。
もっと本格的な、大きなヤスリでゴリゴリと削って、細かいところを調整する時なら、このダイヤモンドヤスリにも出番があるかも知れません。
そこで、こういうものを用意してみました。ダイソーで売っている百均商品です。「鉄工用」と書いてますけど、オピネルのブナ材はまるで鉄のように硬いので、鉄工用ぐらいでちょうど良い…はず。
フィンガーグルーブ加工のコツと注意点
…で、いきなり写真はここまで飛んでしまいます。これは鉄工用半丸型ヤスリで削って、紙やすりで角を落とした後の状態です。
ヤスリがけをする時、最初はグリップに対してまっすぐにヤスリをかけてやって、ある程度の深さまで行ったら、次は幅を拡げてやりました。これは自分の指で実際に握って試しながら、大きさを決めてやる必要があります。
フィンガーグルーブは深ければしっかりグリップできるのでしょうが、凹みが大きくなりすぎると、指をはめ込むような形になりますから、素早く握って素早く離すのが出来なくなります。
グリップをいちいち見なくても、素早く握っても自然とフィンガーグルーブにしっかり指がかかる…最低限の凹みで最大の滑り止め効果が得られるような形状がベストになります。
注意しなくてはいけないのは…
フィンガーグルーブに人差し指をかける場合と、中指をかける場合が想定されるので、その両方に合った凹みをつけてやる必要があります。こうやって中指で握ると、ちょっと斜めになりますから、凹みも少し斜めに拡げてやる必要があります。
鉄工用半円型ヤスリで凹みをある程度広く取って、その後で240番の紙やすりを細く切って3つ折りにして、ゴシゴシと削ってやりました。3つ折りにしないとすぐに千切れます。
その際に、「ミニバイス」というものを使用しました。これでグリップを挟んで、細長く切った240番の紙やすりの端っこを両手に持って、ゴシゴシと削ってやるわけですが、このミニバイス、百均商品の割に結構使えます。しかし、吸盤でくっつくようになっているから、力を込める作業をするとすぐに外れます。
アマゾンでもたぶん同一を思われる商品が販売されていますが、なぜかお値段は699円(!)。ただし、オピネル加工をやり始めると、しょっちゅうバイスのお世話になるようなので
SK11 ホビーバイス 口の開き 40mm 口巾 60mm 口の深さ 28mm V-2N
- 出版社/メーカー: SK11(エスケー11)
- メディア: Tools & Hardware
- この商品を含むブログを見る
こういうしっかり固定できるものを用意した方がいいと思います。各社から複数似たような商品が出ていますけど、高いものではありません。
フィンガーグルーブ右側の下の角のあたりを削り落としているのがわかるでしょうか?人差し指がけ、中指がけの両方で、色んな握り方を試して、人差し指がけを基本に、中指がけをしても窮屈にならず、しっかり握れる形を作ってみました。
いつも使っている手袋をはめた状態でも対応できるように、気持ち大きめにしています。240番の紙やすりでフィンガーグルーブの形状微調整をした後で、1000番の耐水ペーパーで仕上げをかけました。
フィンガーグルーブに指をかけて握った状態で、グリップを前方向、後ろ方向から強く引っ張ったり、押したりしてみましたが、相当の力をかけても滑りませんでした。
グリップを見ずにとっさに持っても、指に吸い付くように握ることができます。
ただし、「人差し指がけ」の状態だと、小指の握り具合が若干不安なのがきになりました。
上の写真を見ればわかるように、オピネルのグリップは後ろの方が大きく広がっていくので、小指がしっかりグリップを握れなくなるのです。次回はこの部分を調整してみたいと思います。
オピネル改造
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