昨日の夜だったか、
というタグがツイッターでトレンドに出てた。
今更余計なことを書いて、ネトウヨを煽ったり、批判するつもりもないのだが、長年中国に関わっている者として、「発狂」というほどではないが、いくつか思い当たることはあるので、こちらにまとめて書いておきます。皆様のご参考になれば幸いです。
【目次】
中国の女子は可愛くて、日本人に好意的
中国に行くと、カワイイ女子がたくさんいる。話してみると、とても素直だったり、堅実な考えの持ち主だったり、ほとんどの人は親孝行だったり、兄弟姉妹を大切にする。勉強好きで、勤勉である。ファッションとか化粧とか、そういうことに興味があるのは、日本の女子とも変わりない。
中国人が反日教育を受けている…と言っても、女子はその手のことに得てして鈍い。日本嫌いの中国女子は皆無ではないのだが、男子に比べたらかなり少ない。どちらかと言えば、日本のドラマやアニメに興味があったり、日本に旅行したいと思ってたりする。
単に東京・大阪などの大都市で買い物をしたいばかりじゃなく、京都や奈良で古い建物を見たり、日本の伝統文化に触れたいという人も少なくない。和服を着たい、茶道をやりたい、畳が好き、古民家に泊まりたい、という人も珍しくない。
私の友人にも、「高野山の宿坊に泊まりたい」と言ってきた中国女子がいた。機会があったらご一緒しましょう…と答えておいたが、残念ながらコロナで来れなくなったままだ。
だから、受け売りと偏見で凝り固まって、中国人を馬鹿にしているネトウヨを見かけると、残念な気がする。実は、日本の伝統文化に興味津々で、カワイイ女子もたくさんいるのだから。言葉さえ通じれば、仲良くなれて、日本で一緒に遊べて、人生が楽しくなるかも知れない。ご縁があった中国女子が日本の良き理解者になってくれるかも知れない。そのチャンスを一方的に踏みにじっているのは、他ならぬネトウヨなのである。
中国の男子はマッチョなのが多い
私も本来はウヨい人間であるから、基本的にマッチョな考え方が根本にあって、男は男らしく、強く、たくましくあるべきだと思っている。身体を鍛えて、武道の1つでも身につけて、女子供を守る。仲間を守る。家庭を守る。国を守る。いざとなったら戦うぞ!…みたいなのが男じゃないか。
男は泣くな、弱い者いじめをするな、男なら逃げるな、売られたケンカは買え、負けて帰ってくるな、勝つまで戦え…私の父親の世代…昭和の男たちなら、大体そんな考えだろう。
現代日本だと、そういう考えの男は時代遅れで、男女同権の敵で、絶滅危惧種なのだが、中国でマッチョな男は全く絶滅危惧種ではない。最近はナヨナヨしたのもいるけど、マッチョなのは日本よりずっと多い。
そして、この手の中国マッチョ男は、武道マニアだったり、ミリヲタで銃マニアだったり、武器やら刀剣収集をやってたりして、日本の武士道とか、日本刀が好きだったりする。
私は昔、某剣術を学んで、道場で教える立場にもあったけど、そのことをマッチョな中国男たちに言うと、非常にウケがいい。一度、中国軍の騎兵のサーベルがあったので、それを持って街の通りに出て、日本式の抜刀をやって構えて、振ってみせたことがあるけど、通行人がゾクゾクと集まってきて、みんな大興奮で褒めてくれて、すごくリスペクトされた。こんなの、日本でやったら危険人物として通報されるw。
そういう時に、ナンキンだのエーキューセンパンがどーので謝罪しろとか、センカクがどーのでナンクセをつけるヤボは中国にいない。「男」に国籍も民族も関係ない。「コイツ、ヤルじゃねぇーか」と思ってもらったら仲間なのだ。「男らしさ」とか、「強さへの憧れ」は、国境を越えた普遍的価値観であり、日本の武士道は、マッチョな世界で通じる最強の「文化的パスポート」ではないか。私は、ちょっと刀が振れるぐらいだから、「武士道」を代表できるような人間ではないけど、マッチョな中国人からすると、そういう日本人が目の前に出てきたら嬉しいのだろう。我々だって、日本に来た中国人が、カンフーの実演を見せてくれたら、政治問題抜きで、喜ぶじゃないですかw。
だから、マッチョなノリが好きなネトウヨが、中国で言葉さえ通じれば、マッチョなハートを持つ「男塾」テイストな男、日本では絶滅危惧種になった「漢」に、たくさん会える。友達もたくさん増えるのではないか。こんなことも知らず、リアルの中国に飛び込んで行こうともせず、ネットでデマや誹謗中傷ばっかりやってるネトウヨはホントにダメな人間だと思う。
中国人の考え方は、かなりウヨい。
ネトウヨの世界観では、中国は韓国とワンセットで「中韓」とくくられる。中韓は日本のサヨクとつながっていて…親中派、二階、リベラルサヨク、朝日新聞、憲法9条を守れ、非核、非戦、非武装中立…と展開していく。
ただ、実際の中国人はかなりウヨい。日本のネトウヨなんか足元に及ばないぐらいウヨい。
昔、中国で若い女性看護師と仲良くなり、家でアルバムを見せてもらったら、軍服を着て小銃を構えた写真があって驚いた。学校で軍事教練があったわけだが、「日本でそれはない」という諸事情を説明すると、不思議そうな顔で、「それでどうやって国を護れるのか」と言った。日本だと彼女は極右扱いだろう
— 黒色中国 (@bci_) 2018年1月26日
彼女は当時20歳で、高校を出てから看護学校に入って、そこで軍事教練があった。写真は18か19の時に撮影したものだ。小銃は最後にちょっと撃たせてもらえるだけで、軍事教練は主に座学で、「国防の意義」みたいなのを学んだらしい。中国は人民の国なので、人民が武器を持って侵略者から国を護るのだ! 国防は尊いものなのだ!中共の指導の下で人民は戦うのだ!みたいな。だから、日本みたいに軍隊を毛嫌いしたり、国防を軽視することもない。平和憲法だの、非戦だの非核だの、非武装中立みたいなバカなことも言わない。
私が彼女に、
「日本の自衛隊は武装はしてるけど軍隊じゃない」
「憲法で戦争を放棄している」
「自衛隊員が学校に入って、子供に軍事教練をするとか絶対ムリ」
「自衛隊が演習をしたり、一般人が基地に入れるイベントがあると、サヨクが反対運動をやる」
「子供たちを戦場へ行かせるな!」(という主張が日本にある)
…という話をすると、彼女は何度も、
「ハァ??」
と言いたげな、不思議そうな表情を浮かべ、
「それでどうやって国を護れるのか」
と呆れ果てたのだった。マジで呆れ尽くしていた。
たぶん、私の話を半分も信じてないはず。そんなムチャクチャな国が、この世に存在し続けられるわけがない…絶対にありえない…という感じだった。
これは顕著な事例だが、他にも中国人と話していると、彼らの国家観とか、国防観はシッカリしているのに気づく。強い軍隊を持って外国から侮られないようにして、外交は毅然とした対応で、したたかに交渉して、国益を守らなくてはいけない…と思っている。敵が攻めてきたら、酒酌み交わして仲良くなって、戦争を回避するぜ!と考える中国人はいない。少なくとも私はそんなにおめでたい中国人に会ったことがない。中国人はガチのリアリストである。先祖代々、「孫子の兵法」が骨髄まで染みている連中である。あの国はエドワード・ルトワックが14億人いるものと考えた方が良い。油断したらヤバい。
だから、言葉さえ通じたら、日本のネトウヨと中国人は、かなり意気投合するのではないか。
* * * * *
私は、中国を旅している時に、アッチコッチで話しかけられて、その度に、
「オレは靖国に参拝してるぜ!」
「尖閣は日本の領土だ!」
「もし日本と中国が戦ったら、日本が勝つぜ!」
…という話をしているのだが、それで議論になったり、「日本人一人だけなのによくぞ言った!勇気あるな!友達になろうぜ!」と褒められて握手を求められたことはあるけど(その時、私は列車の中にいて、周囲に中国人が30人ぐらいいたのである)、怒られたことは一度もない。
国のために戦った先人に敬意を示すのは当然であり(中国人が靖国で怒るのは政治家の参拝である)、係争中の領土を自国のものだと主張するのも当然であり、自国の必勝を主張するのは当然…と中国人は考えるからだろう。
逆に私が、国のために戦った先人への敬意を示さないとか、戦争しても日本が勝たないと言い出したり、そもそも戦争を否定して、自分の国を護ろうともせず、自分の家族や愛する人のために戦おうともせず、小さな島なんか差し上げて、争わないのが一番!酒酌み交わして仲良くして、国民の生活が大切!平和が一番!日中友好バンザイ!…みたいな話をしたら、面白がってくれるとは思うが、大半の中国人が心の中では「コイツはバカだろw」と軽蔑するのではないか。
日本人と中国人はよく似ているからこそ…
日本と中国は対立している。歴史問題や領土問題を抱えている。
だから、日本人と中国人が、真反対の人間なのかと言えば、そうではなくて、両者とも国と家族を愛し、それらを守るために戦おう!戦った人に敬意を示そう!自分の国に誇りを持って生きよう!という非常に似通った考えを持つ人間ではないだろうか。
私は、最も中国人と対話できて、中国が何であるかを真に理解できるのは、日本を愛する日本人だと思っている。中国人は、自分の国を愛さない人間、自分の国を護ろうとしない人間を軽蔑して、まともに相手しないからだ。そして、対話も理解もせず、「敵」を知ろうとしない者が、勝つことはありえないだろう。
ネトウヨどもは、国を愛しているのかも知れないが、「敵」を見下すばかりで、対話も理解も最初から放棄しているので、全く日本に貢献しない、むしろ日本に有害な人間ではないだろうか。だから、私自身がウヨい人間であっても、彼らが苦手で、できれば関わりたくない…相手にするのは時間の無駄、と思って避けているのである。
以上、 #ネトウヨが発狂しそうなことを言う 中国編でした(^^)
- 作者:物江潤
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