黒色中国BLOG

中国について学び・考え・行動するのが私のライフワークです

【アサヒカメラ1994年5月増刊】MODERN CHINESE PHOTOGRAPHERS 誰も知らなかった中国の写真家たち

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最近は、ヒマがあると実家の書庫の整理をしているのですが、そうすると懐かしいものが出てきました。

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1994年に発行されたアサヒカメラの増刊号「MODERN CHINESE PHOTOGRAPHERS 誰も知らなかった中国の写真家たち」という本です。これは、その後の私の人生を大きく変えた1冊でした。

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▲もう25年前の本になるのですが、今見ても表紙がカッコいい。写真もいい。「中国にもこういう写真を撮る人がいるのか」というのが大きな発見でした。中国留学で、現地の写真雑誌なんかも見ていたのですが、あちらではまだ花鳥風月的な写真が主流でしたから。

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▲内容的にもすごく充実しておりまして、日本のカメラ雑誌はあくまでも「カメラ雑誌」で、「写真雑誌」としての要素が薄いわけですが、この増刊号はほとんどが「写真」に関する内容でした。

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▲「カメラ」についての記事は最後の方の「中国製カメラの歩み」だけ。25年前の日本で、中国国産カメラなんか興味持つ人はほとんどいなかった。日本人が興味を持つ中国製カメラといえば、シーガルの二眼レフぐらいでしたし。

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▲近代中国写真史に関する日本語での資料がほとんどない時期に、これ1冊で概要がわかる…という本が突然出てきた…というのが凄かった。

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▲この対談なんかも、今読んでも得られる「気づき」は多いのです。

中国の写真が「社会主義のPR写真」から、「個の写真」へシフトしている…というのが、すでに25年にこの本で指摘されていたわけですが、まだまだ中国の写真といえば、社会主義PR全盛というのか、中国における「個の写真」というのが外国からはほとんど認知されていなかった時期です。

▲その後、世界的に有名になるレン・ハンが出てくるわけですが、そういう時代の到来を予告するような本が25年前に既にあった…日本で発行されていた…というのは、書庫から改めて取り出して読んで、スゴイなぁ…と思ったのでした。

この増刊号、私は大好きで何度も読み返しましたけど、アサヒカメラはその後、こういう増刊号を出さなかったのが何よりも残念。

毎年出すのは無理としても、四半世紀に1回ぐらいは「中国の写真家たち」を紹介してくれたらいいのになぁ…と思ったのでした。

▲売り切れてますけど、今でも古書で探すとたまに見かけます(ヤフオクとかに出ている)。そんなに高くもなってません(元々欲しがる人が少ない)。興味のある人はぜひ探してみて下さい。