黒色中国BLOG

中国について学び・考え・行動するのが私のライフワークです

中国が空母で香港の独立派を恫喝する?

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▲こちらの記事のタイトルにもなっていますが、

中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報は23日付で「遼寧が香港に寄港する可能性は非常に大きい」との専門家の談話を掲載。別の関係者は、遼寧の寄港は香港市民の「民族一体感」を高めると同時に「分裂(香港独立)活動をたくらむ国外勢力を震え上がらせる」効果もあるとした。

…という驚きの証言が出てきております。

中国的には、香港人も中国人で自国民なのですから、それを空母打撃群で恫喝するというのは前代未聞。「砲艦外交」という言葉がありますけど、それを自国民にするのは聞いたことがありません。

念のため、原文を確認してみました。

分裂活動を進める国外勢力を震えさせる

▲こちらの記事の

一位要求匿名的人士23日对《环球时报》表示,辽宁舰若到访香港,并对普通市民公开“首秀”,将充分显示中央政府对香港的重视。同时,作为一个高度开放的国际性港口,辽宁舰在香港的展示意义更加重大,势必吸引更多世界目光。这表明中国海军的自信和实力,也是对企图进行分裂活动的国外势力的一种震慑。

 ▲この部分が例の証言ですが、確かに「也是对企图进行分裂活动的国外势力的一种震慑」(分裂活動を進める国外勢力を震えさせる企図でもある)とあります。

この証言の人物は匿名を希望しており、氏名も所属機関も明かされていないわけですが、普通に考えると、それを明かすと差し支えがあるから…ということになると思われます。

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南シナ海問題への威圧も?

匿名氏の証言の前に、海軍軍事学術研究所研究員の李傑氏のコメントで、次のようなものがありました。

“如果访港,一定不是辽宁舰单枪匹马,而是一个航母战斗群。”李杰认为,此次航母编队将包括最能展示中国海军能力的舰艇,数量可能达到10艘左右。此外,辽宁舰到访香港,还表明中国对南海主权权益的关切。

今回の空母の香港訪問は、10隻ほどからなる空母打撃群を編成して行われるものとなるようで、南シナ海の係争地域にも近い、国際都市である香港を利用して、南シナ海の諸国へ威圧を加える意図もあるようです。

香港 返還20年の相克

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