今年は年初から、4年前に購入したThinkPad Edge E430cの「軍備増強」に取り組んでいる。キャッシュSSD化までやれば充分じゃないかと思ったが、そこで止まらないのが、PC沼の悲劇である。
この数日、E430cのスペックシートを細かに眺めていたら、メモリを16GBまで増設できることを知った。お恥ずかしいことだが、今まで知らなかった。購入する時に、メモリは最大で選択していたので、その「上」があるとは思わなかった。2013年の購入当時、まだ8GBのメモリ2本は高かったので、選択肢になかったのだろう。
「16GBのメモリって何に使うの?」という人もいるだろう。ググると「16GBのメモリは必要か」みたいな情報はたくさん出てくる。大体は8GBで充分だと書いている。
ただし、私には以前からやってみたいことがあった。
そのことからまずお話ししてみたい。
【目次】
- 仮想メモリの全廃!
- RAMのメーカーをどこにするか?
- トランセンドメモリ到着
- メモリの入れ替え
- CPU-Zでメモリの状態を確認
- 「仮想メモリなし」での運用は可能なのか
- Thinkpad Edge E430c機能強化の関連記事
仮想メモリの全廃!
私がやりたいのは…ズバリ、これだ。
▲「仮想メモリって何?」という人はこちらをご参考下さい。
上掲のウェブページでも説明されているけれど、物理メモリ(つまりRAMですね)が不足した時に、Windowsがハードディスクを「仮想メモリ」として利用する。これを全部ヤメたら、PCは高速化するのではないか…というのを以前から考えていたのだ。
そこで、試しに物理メモリ8GBの状態で、仮想メモリの使用をヤメてみた。
▲「コントロールパネル」⇒「システム」⇒「システムの詳細設定」で「パフォーマンス」の「設定」をクリックすると、このウィンドウが開く。「変更」をクリックして、「ページングファイルなし」を選択すると、仮想メモリは上掲のスクショのように「0MB」になる。
▲その状態で、グーグル・クロームを立ち上げていつも見ているニュースサイトを20個立ちあげたら、RAMを77%使ってしまった。
仮想メモリを使用している時は、物理メモリの使用率は大体30%前後だった。それだけ仮想メモリに依存していたのだろう。動作も緩慢だった。
パフォーマンスを数値的に計測してないけど、仮想メモリを切っていると、確かにサクサク動いているような気がする。ところが、20個もニュースサイトを同時に開いていると、PCの表示がおかしくなり、OSが不安定になった。
8GBのメモリで仮想メモリを全廃するのには無理があるのだ。やはり、最大容量の16GBを実現するほかあるまい。
RAMのメーカーをどこにするか?
ThinkPad Edge E430cに適合するメモリは
- PC3-12800 DDR3 SDRAM
- 204ピンのノート用
- 電圧は1.5V
…である。低電圧の1.35VはE430cで動くかも知れないが、購入時から挿さっているメモリが1.5Vなので、低電圧版は採用しないことにした。
その条件で、すぐに見つかるメモリは3種類ある。
バッファロー
▲検討時の価格は11212円。価格はそこそこ良い。しかし、レビューにはE430での使用例が書かれていなかった。一抹の不安が残る。メモリ増設に相性問題はつきものだ。確証の取れていないメモリを購入するのは気が引ける。
シリコンパワー
▲検討時の価格は11980円。シリコンパワーはアマゾンのレビューに幾つかE430での使用例があったけど、「作動中も不安定で 頻繁にブルースクリーンになり落ちます」というレビューがあって、これが気になる。他の機種でも相性問題についての記載があったので、これもヤメておくことにした。
トランセンド
▲検討時の価格は12800円。トランセンドのE430での使用例について書かれたアマゾンのレビューは1つしかない。
▲動作確認が取れているそうだが、低電圧の方だ。
しかし、「LENOVO」でアマゾンのレビューを検索すると、かなり調子が良さそうだ。
それと、トランセンドは公式サイトで動作確認を詳細に教えてくれる。
▲こちらで任意のパソコンでの互換性を確認できる。
▲こんな感じで確認できる。E430cでの動作をメーカーがここまでハッキリ確認してくれているのだから、心強い。その上でトランセンドは永久保証だから、もし取り付けて問題があっても、すぐに交換してもらえるだろう。
というわけで、トランセンドに決定した。
トランセンドメモリ到着
▲「LIFETIME」の8文字が眩しい。他のメーカーよりも少し高いけど、やはりトランセンドは信頼できる。
▲メモリがどこのものか確認しようとしたが、よくわからなかった。この「S」のロゴってどこのものなんだろう?
メモリの入れ替え
▲E430cから、ケーブル類全部とバッテリーを外して、底部カバーを外す。ネジ3本ゆるめるだけで、カンタンにここまで開けられるのがE430cの素晴らしいところだ。
▲まずは古いメモリを外す。メモリの脇を止めている金具を横にズラしてやるとカンタンに取れる。
▲トランセンドのメモリに差し替え。差し込み部分にプラスチックの突起があるけれど、ちゃんとそこが基盤の欠けたところに入るように軽く押し込む(軽くでいい)とOK。それでまた横の金具をちゃんとかけてやる。
▲この赤丸の部分ですね。
これで底部カバーを閉じてやればOK。
無論これらの作業の時は、シツコイほどに何度も体にたまった静電気を放電しておくのを忘れずに。冬は静電気が溜まりやすいので、特に要注意だ。
CPU-Zでメモリの状態を確認
▲CPUーZで確認してみたら、ちゃんと16GBを「DUAL」チャンネルで認識している。
▲CPU-Zをお持ちでない方は、こちらからどうぞ。
「仮想メモリなし」での運用は可能なのか
▲「ページング ファイルなし」を選択。「現在の割り当て」は「0MB」だ。
前回と同じようにグーグル・クロームでニュースサイトのページを20個開いてみる。
▲前回と全く同じページを開いたわけではないので、消費メモリに違いがあるけれど、7.14GB使っても、まだ半分以上のメモリが余っている(!)。
この状態で1日以上使ってみたけれど、何の問題もない。動作の異常は見られない。非常にサクサク動いている。
キャッシュSSDの効果も合わさって、我がE430cは全く別のマシンに生まれ変わった。これが4年前のPCとは全く思えない。
もう少し長期的に使ってみないと、正確な結論は出せないと思うが、この数週間取り組んできた「軍備増強」の取り組みは良かった。計1万数千円の投資でこれだけ動作を向上できるなら充分だ。
▲黒色中国のツイッターを長らくご覧の皆さんなら知っていると思うけど、中国で大災害や大事故、大事件が起こると、最新情報を片っ端にツイートしている。
あれはかなりの速さが要求される作業で、同時に50個ぐらいのウェブページを同時に開いて、翻訳したり、単語を調べたり、新しい検索をしたり、動画サイトを見たり、中国のテレビ放送をネット経由でライブで見たり、スクショを取ったり、写真の加工を同時進行でやっている。
PCのちょっとした動作の緩慢さがストレスにつながるし、コンマ何秒の反応の悪さが、作業効率に響いてくる。
こういうことにこだわってくると、最新のマシンに替えた方が良いのではないかと思うけれど、それでも基本はテキストベースの作業で、3DCGとか動画のエンコーディングをしているわけではないのだから、4年前のPCでも、キャッシュSSDと16GBのメモリを搭載し、仮想メモリを全廃してやれば、充分対応できるのではないか…というのを半年ぐらい前から考え始め、ようやく実現した。
ただ、ここまでやり込むと、他にも色々気になるところが出てきた。この際だから徹底して、作業環境の全面的な改善に取り組みたいと思う。