【ガス田交渉再開要請へ 中国で日中海洋協議】条約締結交渉は沖縄県・尖閣諸島沖で10年に起きた中国漁船衝突事件を受け中断した。安倍晋三首相と習近平国家主席は今年10月の会談で合意を完全に堅持し、早期の交渉再開を目指し意思疎通を強化する方針で一致した。 https://t.co/lweR8zD5iI
— 黒色中国 (@bci_) December 17, 2018
「再開」っていつから中断しているんだったっけ…と記事を読み進めると
2008年に合意した東シナ海のガス田共同開発に向けた条約締結交渉が中断しており、日本は早期再開を要請する構えだ。
もう、丸10年も交渉が中断しているのですね。
漁船衝突が2010年にあって、あれで日中関係が冷え込んで、最近やっと回復しつつあるわけですが、2008年の合意ってどんなのだったっけ…と、ちょっとおさらいしておくことにしました。
内容的には短いものです。共同開発区域を決めた上で、実現に向けて協議する、白樺油ガス田の開発には日本企業も参加する…
でも、最近の動きとして何かなかったっけ…と更に検索をかけてみると…
▲こちらは今年6月の外務大臣会見記録。「東シナ海資源開発問題」のところに、
「半潜水型」というガス田開発の機材が投入されているようです。
▲今年9月の報道。
カンタン4号は、浮上したまま曳航(えいこう)され、目的地でタンクに水を入れて構造体を水中に半分程度沈める「セミサブマーシブル型(半潜水型)」。日本政府がこれまで周辺で確認した中国側のリグは、脚を海底に固定し構造体を海上まで上昇させて作業する「ジャッキアップ型」だった。
半潜水型は深海での掘削が可能で、ジャッキアップ型と比べ、船体の揺れが少なく安定性が高いという。カンタン4号の最大稼働水深は約600メートルで、5月に近隣で確認されたジャッキアップ型リグ「カンタン7号」の同約120メートルを大幅に上回っているとされる。4号、7号は、ともに中国国有企業「中国石化上海海洋石油局」の所属だという。
さっそく百度で検索してみると…
ありました。要訳すると
- 1994年2月10日、上海海洋地質調査局が米国西方海洋有限公司から購入したもの。
- 元の名前は「Wsterm Pacesetter 1V号」
- 米国Fritd Goldman社のL-907型で、シンガポールで製造。
- リグの全長は87・8メートル。最大喫水深度19.8メートル、リグ状態の最大排水量は2万8千トン、最大積載重量4081トン。
- 作業水深は45.7~601.6メートル、最大鉆探深度7620メートル。
深圳港引航站成功引领大型半潜式钻井平台“勘探四号”出港 - 深圳市交通运输委员会
▲こちらに今年6月の「出港」の際の記事があります。
▲カンタン4号(上掲の深セン市交通委員会のページより)
▲こちらはカンタン4号に防腐処理を行った…と言う2017年の記事。ここに「海虹老人」という謎の言葉がたくさん出てくるのですが一体何のことやら…と調べてみると
Hempelというデンマークの塗料会社なのですね。
つまり、東シナ海に投入された「半潜水型の掘削船」は、中国が自国で開発したものではなくて、米国から買ってきて、デンマークの技術で防腐処理を施したシンガポール製…というわけでした。

これだけは知っておきたい日中問題20のポイント―東シナ海ガス田開発・「南京大虐殺」・チベット人弾圧‐日中関係の現状と課題とは
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▲以前から気になっていたのですが、中国の東シナ海ガス田開発に関する本って、ほとんどないのですね。尖閣問題と並んで、もっと注目されるべき話題と思うのですけど…公開されている情報が少ないからでしょうか…
- 今日の発見 東シナ海ガス田の問題って実は、米国が既に中国側の権利を了承済みのことなのかなぁ…