黒色中国BLOG

中国について学び・考え・行動するのが私のライフワークです

【香港の麺】(1)豪華珈琲茶廳のランチョンミート・ラーメン

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私が香港で最も思い出深い場所は湾仔(ワンチャイ)だ。

旅行で初めて香港に来た時も、その後住み始めた頃も、いつも湾仔の周辺にいた。湾仔はアドミラリティとコーズウェイベイの間にあるけれど、どこか垢抜けないというのか、古臭い印象の強い街である。

https://www.instagram.com/p/BGmCHDhkEiL/

そんな湾仔に「豪華珈琲茶廳」という名前の、見た瞬間に、「この店のどこが豪華なんだよ!」 とツッコミたくなる小さな古い店がある。通りかかる度に、この店が気になって、ある日、朝食をとるために入ってみた。

https://www.instagram.com/p/BGmCQbdEEil/

それで頼んでみたのがこれ。日本のチキンラーメンみたいなのを固めに作って、上に厚切りのランチョンミートを焼いて乗せただけ。

これで商売になるのだから、香港はスゴいな…と思ったのだが、食べてみると非常にウマい。厚切りのランチョンミートは香ばしく焼き上げつつも、ふかふかした食べごたえで味もしっかりしているし、それが固めに茹でた(茹でているのだろうか…お湯をかけただけじゃないのか)インスタントラーメンによく合う。

写真は撮っていなかったが、たしかこの店には他に、ピーナツバターを塗った甘いトーストがあったんじゃないかな…いわゆる香港の名物の1つで、たぶんこの店は、茶餐廳の原型みたいなものではないのだろうか。正確には「餐」が出ないから「茶廳」なのだろうが。飲み物と軽食の店である。

この店に遭遇したことで、私の香港に対する食の感覚が変わってきた。

店の見た目が小さくても、古ぼけていても、出てくるのがランチョンミートだったり、インスタントラーメンであったりしても、決して侮れない。ウマいものはウマい。香港人は身近な物、安い物でも、食材の特質をよく理解して、創意工夫を凝らして、美味しい食べ物に作り変えてしまう。

そういう「ウマいもの」がどこに潜んでいるのかわからないのが香港…ということに気がついた。それから、私の食べ物探訪が始まった。

【香港の面】(全5回)