連日のように、新疆のウイグル強制収容所のニュースが見られますが、
▲今朝、RFAを見るとこのようなニュースがありました。
新疆以外の地域にも、中国のイスラム教徒弾圧が拡大している…という内容になっています。
詳細な内容をのぞいてみますと…
この記事はRFAの独自取材ではなくて、ニューヨーク・タイムズが23日に報道したものを転載したようです。
以下、要訳すると…
- 内蒙古、河南、寧夏、雲南などの中国のムスリム系少数民族が集まって住む地域にて、中国当局はイスラム信仰的な要素を剥奪しようとしている。
- モスクのドームやミナレットを取り壊したり、更にモスクそのものを取り壊す。
- 公開の場でのアラビア文字の使用、イスラムの金融システム、モスクまたは個人のイスラム団体組織が運営する幼稚園や課外活動、アラビア語の学校が宗教を教えたり、学生を外国留学させることなどを当局は禁止している。
- これらの処置は2015年に遡ることが出来、当時習近平はいわゆる「イスラム教中国化」問題を掲げ、あらゆる信仰は中国文化と中国共産党に服従することを表明した。
- 去年(2018)年、習近平政権は秘密文書を通達、地方官員にイスラム教が世俗生活や国家職能に関与することを阻止するように命令した。
▲微博を見ると、確かにイスラム教の「中国化」が推進され、モスクのドームを撤去…という情報があるのですね。ただ、この投稿、リンク先が既に消されていて読めなくなっているのですが。
ドームがないモスクは、なぜ「中国化」なのか?
一般的に、我々日本人が想像する「モスク」といえば、
▲こういうものですね。
ただ、中国はイスラム教がかなり古くから伝来しており、中国独自のモスクというのが存在します。
▲こちらは中国最古と言われるモスク、西安大清真寺。
▲西暦742年に建てられております。たぶん、宗教は早くから伝来しても、建築技術までは一緒に持ってこれなかったのでは。そこで中国の建築様式をそのまま流用したモスクが作られたのではないでしょうか。
そして、西安大清真寺を模倣して作られたモスクが中国の他の地域にもあったりします。
中国のイスラム教迫害というのは、中東やアフガニスタン、パキスタンあたりの過激な原理主義、ISなどの浸透を防止するのが目的のように思っていたのですが、建築にまで口出しし始めるのは、非中国的なものを排除しようとする意図が感じられます。
なので、単にイスラム教迫害が行われているのではなく、同時に「文化大革命」というのか、社会における「非中国的な要素」の排除が行われているのではないか…とも思えるのです。