もうかなり長い間、中国を旅してきましたけど、その時にいつも悩むのが「靴」。旅行に靴を何足も持っていく人は少ないと思います。
スーツにネクタイを締めて行かなきゃいけない仕事旅もあるので、移動の時は動きやすい靴で、仕事の時は革靴で…という「履き分け」をやってたこともありますけど、LCCの時代になって荷物はとにかく軽く少なくコンパクトに…となってきましたから、替えの靴を持っていくのが大変になってきました。
▲こちらの靴はもう13年愛用してきました。同じ靴を13年履いたわけじゃなくて、2~3年置きに買い替えて、今は確か5代目だったと思うんですけど。
アシックスの「G2-TREKKING-HI」という靴で、以前はローカットもあったんですけど、それは何年か前になくなって、ハイカットだけになりました。
これがもう「万能靴」とも言うべき素晴らしいトレッキングシューズでした。
【目次】
中国を旅する時に必要な「靴の3条件」
中国旅行を始めた当初からトレッキング・シューズを愛用していたんですけど、
・ハイカット(重心を下げる/足をしっかり保護)
・ゴアテックス(通気性が良く、夏でも蒸れない)
・防水性が高い(水に入っても中に浸透しない)
の3点は絶対譲れないですね。たくさん歩く時には重めの靴の方が重心が下がるため疲れませんし、ハイカットだとくるぶしまで足を包んでくれて、中国で旅している時に、アチコチぶつけたり、ぶつかったりする衝撃からも足を守ってくれました。加えて、ハイカットで履き口が閉じれるトレッキング・シューズは小石などの異物が入りにくいのです。
▲それと、ゴアテックスでないと夏場は蒸れて靴の中が汗でベチャベチャしてきますね。この靴は通気性が抜群で、夏場の猛暑で汗だくになっても、靴の中は乾燥しておりました。
加えて、防水性が高く少々の水たまりだったらザブザブと入っていっても、中に水は浸透しませんでした。
▲そしてくるぶしまでガッツリと紐を結んで足を固定できまして、これで街歩きでも、山歩きでも、釣りの時でも、全部こなせました。
ソールの性能も良くて、不整地でも、濡れたツルツルの床でも、ゴツゴツした岩場でも、しっかりグリップして滑らず、ショック吸収も素晴らしくて、少々高いところから飛び降りたりしても、痛みをほぼ感じませんでした。
▲こちらはカカト側ですけど、GELが入っていたのでショック吸収がしっかりしていたのでしょうね。それと「AHAR」というのは
▲アシックスの開発したアウターソール素材で、自動車のタイヤと同じゴムを使用し、耐摩耗性を向上させたものだそうです。
頑丈そのものの作りで、全然ほつれもせず、加水分解でバラバラにもなりませんでしたが、カカトがすり減ってしまうと修理もできず、2~3年置きに買い換えるしかありませんでした。
たぶん経年劣化で加水分解を起こしてしまう前に、私が履きつぶしていたんでしょうけど。
でもって、黒一色でオーソドックスなデザインですから、スーツに合わせるのは無理でも、ジャケットにチノパンでこの靴だったら、とりあえず遠目には「黒っぽい靴を履いている」だけにしか見えず、なんとか誤魔化せたわけです。
黒色中国の旅は常にこの靴と共にあり、今まで書いてきた旅行記系のツイートも全部この靴を履いておりました。
でも、この靴は去年あたりに生産中止になってしまい、後継商品も出ないことになりました。
アシックスはなぜこの地味な製品をつくり続けたのか?
私はこの靴が心底好きだったので、何度かアシックスの人に生産中止にしないようにお願いし、その時に話を伺ったのですが、アシックスがなぜこの地味なトレッキング・シューズをずっと現行商品として残し続けたのかというと、お年寄りでトレッキングを始める人は、最近の派手派手しいカラフルなトレッキングシューズを好まないそうで、それでこの「黒一色」という地味な商品を作り続けていたそうです。
アシックスのウェブサイトを見ると、もう少し気軽なタイプのトレッキング・シューズは残っているので、もっとライトユースのものを重視して、G2-TREKKING-HIは生産中止になったのでしょう。
そこから始まった大いなる煩悩の日々
G2-TREKKING-HIの生産中止は、私にとっては「青天の霹靂」というのか、「じゃあ、これから何を履いて旅に出たらいいの?」と途方にくれてしまう大事件でした。
そこで、改めて黒っぽいトレッキングシューズを探したんですけど(この半年ぐらい探しています)、どれもこれも派手で「山登り用」というのが全面に出ているので、全く買う気になれないのですね。もしくは靴全体のデザインが派手というのか。
性能的にも、ゴアテックスを使用していたとしても、ショック吸収は特に対応してないとかで、ワタシ的にはイマイチのものばかりでした。
それと、最近はバックパッカースタイルの旅は減ってきて、ネクタイを締める旅が増えているので、いつまでもトレッキングシューズというわけにもいかず、とはいえ通常のビジネスシューズだけで長旅に出るのは大変だし、さてどうしたものか…と悩み続けているわけです。
もう一つ、コスパの問題ですけど、G2-TREKKING-HIは素晴らしい靴なので、税込みで実売1万6千円弱でも高いと思ったことはないのですが、これを12年間で5回購入しているので、合計8万円もかけているわけです(!)。
…ということは、修理可能な靴を購入して、それを数年置きに修理したとしても、12年間に8万円の予算だったら、もうちょっと別の選択肢があるんじゃないか…と考え始めたわけです。
この話はしばらく続きます。