黒色中国BLOG

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ニコンD3400研究(4)「円すい型アイピース」と「ケラレ」の問題

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▲こちらは、今は亡き「京セラコンタックス」の一眼レフ用アイピースです。正確には「ヤシカコンタックス」の時代のものか…祖父からもらったコンタックスRTSの付属品でした。

別にコンタックスに限らず、フィルム時代の一眼レフのアイピースって、こういう円すい型の立派なものが珍しくありませんでした。

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▲横から見るとこんな感じ。目にピッタリ当てられて、遮光性が高いので、ファインダーが見やすくなりますし、被写体の隅々までじっくり観察できるというのか…それと目の周りにこのゴムがしっかりと当たって、カメラがブレにくいというメリットもありました。

【目次】

1)円すい型アイピースが無くなったわけ

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▲そしてこちらはニコンD3400のアイピース。どうしてこんなカタチになってしまったのか…

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▲それはデジタルの時代になって、ファインダー接眼部の下には液晶画面があるからです。ここに大きく立派な円すい型アイピースをハメてしまうと、液晶画面の上にかぶってしまうので。

高級機種だとボディが大きくなるので、ファインダー接眼部と液晶画面の間に余裕があって、円すい型アイピースを取り付けても液晶画面にかぶらないようになってたりするのですが、小型軽量のD3400だと液晶画面はファインダー接眼部の真下にありますから、アイピースは自然と四角になり、底辺側のゴムもないのですね。

2)D3400のファインダーはゴミが入りやすい?

まだ使い始めて4ヶ月ですから、なんとも判断つかないのですが、第2回で申し上げたように、

イメージセンサークリーニング機能がなくても、エアフローコントロールが効いているためか、イメージセンサーへのゴミの付着はなかったものの、フォーカシングスクリーンの内側にチリや髪がたくさん入ってしまいました。

そこで考えたのですが、これらの異物って、どこから入ったのでしょうか?あんなにたくさん入るのだったら、イメージセンサーにだって、もっと異物が付着していいと思うのですが。

しかも、異物が入った時って、旅行中でレンズは標準ズーム1本だけなので、一度もレンズ交換もしてない。そういう時にフォーカシングスクリーンの内側に異物が入っちゃったのです。

確証はありませんが、私はファインダー接眼部を疑っております。

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▲ファインダー接眼部を覗く際、まつげに付いたゴミが入り込んでしまうではないか。または、空気中のチリが、ファインダー接眼部を経由して内部に混入するのではないか…ここはフォーカシングスクリーン内側への最短ルートですので。

レンズにフィルターをつけて傷やゴミから守るように、ファインダー側にもフィルターを付けられたら…と想像したところで、「あっ!」と気づきました。

円すい型アイピースの件と一緒に、フォーカシングスクリーン内側への異物侵入を解決できるかも!

3)DK-17FとDK-17M、そしてDK-19

ニコンはファインダー接眼部に取り付けるアクセサリーを幾つか出しておりまして、その中の1つで、「DK-17」というシリーズがあります。

▲こちらは円形の「外枠」だけのもの。

▲こちらは円形の「外枠」の中にファインダーの曇りを防止するプラスチック板が入っているもの。

一応紹介しておきますが、個人の好みはあれど、特にこれらは使用する必要がない…と私は考えます。

「外枠だけ」のDK-17を付けても、ファインダー接眼部への異物侵入を防いでくれないし、アンチフォグの方はプラスチック板が傷つきやすい…らしいのです。なので…

▲フッ素コートをしたガラス板の入ったDK-17F。

▲1.2倍のレンズが入ったマグニファイングアイピースDK-17M。

ファインダー内部への異物混入対策としては、この2つが本命になります。

▲上掲2種のアイピースは、こちらの円すい型「接眼目当て」を取り付けられます。正確に言うと、DK-17の4種いずれかを介さないとDK-19を使用することはできません。

4)NEPS1とは?

そして、D3400を始めとするニコン一眼レフのエントリークラスから中級機は、上掲のアイピース類を使用する際に

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NEPS1というものが必要になります。これはニコンダイレクトか、ニコンのサービスセンターでしか販売しておりませんので、そのいずれかでご購入下さい。ニコンダイレクトだと750円(送料別)です。

品薄なので、サービスセンターで購入する場合は、先に電話で在庫状況を確認した方が良いです。

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▲これがNEPS1。コチラ側を接眼部に差し込んで…

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▲こちら側にアイピースをねじ込みます。

ここまではスムーズに話が進んだわけですが、ここから先がかの有名な「問題」になってきます。

5)NEPS1+DK-17MへのDK-19の併用はオススメしません

このNEPS1をめぐるニコンの「沼」にハマった人なら、誰もが行き当たる大きな問題があるのですが、ネットで検索すると、

  • 四隅がケラれる
  • 情報表示が見えない
  • かなり目を動かさないと隅がちゃんと見えない

…みたいな報告がどっさりとみつかります。それと、

  • DK-17Mを使ってるけどNEPS1を介してない(DK-17Mを直接接眼部に取り付けられるモデルがある)

…という情報も混在しています。

この手の報告が面倒なのは、報告者が裸眼なのかメガネ使用なのか、本人の視力がそもそもどの程度なのか…という状況が明記されていないところです。

というのも、カメラのファインダー接眼部に対して、NEPS1というアタッチメントをまず取り付け、それにDK-17系を取り付け、そこにDK-19を取り付けた上で、使用者がメガネをつけていたりすると、「接眼部」と「肉眼」の間が開きすぎて本来のしかるべき位置より、かなり離れて覗き込んでいることになります。そりゃ四隅がケラれて当然です。

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NEPS1を介さずにDK-17Mを直接取り付けられるカメラの場合、DK-17Mは最も使いやすいもの…と思われますが、NEPS1を間に入れてしまうと、少し遠目に除きこむ結果になるので、更にDK-19を加えるのはヤメた方がいいと思うのですね。私はDK-19アリとナシの両方で何度も試してみましたが、DK-19アリだと確実にケラれまくります。

そして、これは個人差もあるとは思うのですが、DK-17Mはようするに「接眼部につける老眼鏡」です。DK-19と組み合わせて長時間のぞきこんでいると船酔いみたいになり、気分が悪くなって、私はヒドイ頭痛に襲われました(´Д⊂グスン

ちなみに私は眼鏡なしで、コンタクトレンズも使わず、裸眼で視力1.2です。

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しかしDK-19ナシで、NEPS1+DK-17Mだけの組み合わせだったら、頭痛はそれほど酷くない…いや、ほぼない…なんとか使えるし、「ケラレ」はちょっとあるけど気にならない、充分実用レベルです。

たぶん「老眼鏡」を、ちょっとズレた位置でのぞきこむことで、視神経への負担が強くなるのでは…と思うのです。

人によっては、それでも特に問題ない…という人がいるかも知れません。個人差の大きな問題とは思いますが、上記に整理した通り、NEPS1+DK17Mの使用の際、DK-19の併用を推奨しません。

私は自宅内でマクロレンズをつけて物撮り専用機になっているD40に、NEPS1+DK17Mを使用しています。これだとファインダーが1.2倍になって、マクロレンズのピントも合わせやすく、物撮り専用なら、さほど長時間使い続けるものでもないので、視神経への負担も少なくて済みます。

6)NEPS1+DK-17F+DK-19の組み合わせは最高!

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まず、最初に「気になること」を明記しておくと、この組み合わせの場合、「ケラレ」はほぼありません。四隅がかすかに見えないかな…という程度です。

それより、円すい型アイピースの遮光性が素晴らしいです。ファインダー像への没入感が素晴らしい。明るい日中・屋外での撮影の際、ファインダーを覗き込んでいたら、接眼部と肉眼の隙間から、差し込む太陽光にイライラすることってありませんか?私はアレが非常に気になるのですが、DK-19が使えるようになって完全にこの問題が解消しました。

おかげでファインダー内の情報表示もみやすいです。

フッ素コートのガラス板には、「度」がついていないので、頭痛もメマイもありません。

私は急いでファインダーを覗こうとして目の周りにカメラをぶつけてしまうのをよくやるのですが、DK-19を装着できると、クッションの役目もはたしてくれるので、痛くありません(^^)

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そして、NEPS1+DK-17F+DK-19を取り付けると、D3400がカッコよくなりますね。プロの機材になった…という気がします。実用性が高く、ドレスアップも出来て、さほど高価でもないので、これは全てのニコン一眼レフユーザーにオススメしたい…と思うのです。

ただ、1つ忠告しておくと、NEPS1が外れやすいとか、DK-17系は単にNEPS1へねじ込みしているだけでロックできないので、撮影している時に、ねじ込みが緩んで外れて、紛失しやすい…というネットの書き込みが幾つかみられます。実際、私の方でもなんどか試した結果、「若干」外れやすいように思いました。

私としては、念の為の保険として、パーマセルテープで固定するつもりです。

7)液晶画面への「かぶり」の問題

この件ですが、

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▲上から見下ろすように液晶画面を見ると写真のようにDK-19が邪魔になりますが…

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▲カメラを傾けて、下から見るようにすればDK-19は邪魔になりません。

ライブビューにして、ローアングルで上から液晶画面を見下ろすしかないような状況だとDK-19は邪魔でしょうけど、そういう状況も、あまり多いことではないと思いますので、特に問題ないかと思います。ローアングルでライブビューを使うことが多い人だったら、最初からD3400は買ってないでしょうし。

8)DK-17FにDK-19を取り付ける際のコツ

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▲DK-19ってよく見ると、接眼部側になる部分が入り組んだ構造になってまして、ここにDK-17Fの「ヘリ」になってる部分を差し込むようになっています。

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▲取り付け方を詳しく説明しているサイトは他にたくさんあるのでこちらでは繰り返しませんが、この段になっているところに「ヘリ」を差し込むというのを理解してないと、全然取り付けられません。

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▲他のサイトだと、この金属のリングを力強く押し込んでやるようなことを書いてますけど、アイピースの「段」にたいして、DK-17Fの「へり」を差し込むのがちゃんと出来ていたら、金属のリングを力任せに押し込まなくても、簡単に取り付けられます。

もし取り付けが上手く行かなかったら、明るいところでアイピースの「段」の部分をよーく観察してみてください。

9)DK-17F/Mのお手入れ

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DK-17Fはフッ素コーティングなので確かに汚れを拭き取りやすいと思います。DK-19の取り付けで苦労した際に、指紋をベタベタつけちゃいましたが、拭き取りは楽でした。

DK-17Mはフッ素コーティングじゃないけど、こちらも指紋の拭き取りはそれほど難しくなかったです。

でも、ここからファインダーを覗き込むわけで、汚れがついていると気になりますから、常にキレイな状態を保っておきたいですね。

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▲そこで活躍したのはレンズペンでした。

私が使用したのはコンパクトカメラ用でしたが、今はビューファインダー用のものもあるそうです。先端が小さいのですね。

レンズペンは先端部分だけを「交換用」で販売しているものがあって、軸の部分は単に邪魔なので、私は先端部分だけ購入して使っております。 

10)DK-17Fはファインダー内への異物侵入を防いでくれるのか?

これについてはまだ検証できるほど長期使用してないので、また後日追記しようと思います。

とりあえず、現段階でわかっているのは、接眼部の間にガラスを1枚増やすと見難くなるのでは…と心配でしたが、そういうことは一切ない…ということです。反射も気になりましたが、円すい型アイピースで遮光しているので、それもない…というわけでした。