最近は中国語で話し続けることが多く、朝から晩まで日本語を一切使わないことも珍しくない。
そういう時に中国の友人から、
「あれ?前よりも中国語上手くなってない?」
「発音がすごく良くなってる」
…と何度か指摘された。
自分自身、中国語を話しながら、「あれ…こんなに発音上手かったっけ?」と不思議に思うことも多い。
なぜそんなことになっているのか。
思い当たる理由といえば、1つしかない…
CCTVの意外な効果?
私はほぼ毎日、CCTV(中国中央電視台)のニュースを見続けているのだが、これ以外に中国語能力の向上になるような訓練はしてないので、たぶんこれが原因なのだろう。
私は日本のテレビはほぼ見ないけど、中国のテレビ放送が視聴できる環境にいれば、大体は見ている。
日本にいても、ネットがつながればCCTVは視聴できるので、1日1時間程度は中国語だけのニュースを毎日見ている。
とは言え、ずっとテレビを睨み続けているのではなくて、よっぽど大きなニュースがない限り、大半は他のことをしながら、聞き流す程度だ。
iPad+AppleTVの組み合わせだと、快適に視聴できるので、ほぼ毎日の視聴を始めたのはこの1年ぐらいのことだ。
久しぶりに会った友人たちが、
「以前と発音が違う。別人の発音みたいだ」
「ナマリがないキレイな発音になっている」
「以前よりもスムーズでハッキリ聞き取りやすい」
…と異口同音に発音の改善を指摘されるので、
「毎日CCTVのニュースを見ているからかな…」と言ってみると、
「ああー!確かにアナウンサーの発音に似てるわw。なぜオマエは日本人なのに毎日CCTV見てんだよ!」
…と笑われてしまった。
朝の寝起きに聞き流す
昔から語学の学習は、朝起きてすぐの寝ぼけた頭でやるのが良いと言われる…って、これは中国語の世界だけでの話だろうか。起床後に頭が冴えてきて、「日本語の脳」が起動する前に、中国語を頭に流し込むと、上達しやすい…というのを、何度か教わったことがある。
中国に留学している頃、旅行などで早朝に出発する時に、朝5時頃のまだ暗い内から、校内の庭で大声をあげて、英語の発音練習をしている中国人学生を見かけたことがある。中国ではこういう語学学習法がひろく浸透しているようだ。
『クレージー・イングリッシュ』の影響もあったのかも知れないが。
だから…というわけでもないのだが、とりあえず目が覚めて、特に早朝から急ぎの用がない限り、まずはCCTVのニュースを見るようにしている。起床後に中国のニュースを見ないと気が落ち着かないし、寝ぼけた頭で中国語の文字のニュースを読むのはつらい。着替えたり、朝食の用意をしながら、CCTVのニュースを聞き流すのである。
たぶん、こういう生活を毎日繰り返している内に、耳から正しい発音が脳に刻まれて、発音が向上したのであろう。
外国語学習はスポーツに近い
語学の勉強は、頭で理解する「学問」というよりも、身体で体得する「技術」に近いと思う。理屈よりも身体で覚える。スポーツみたいに日々の鍛錬、そして「朝練」が重要ではなかろうか。
私は子供の頃から、スポーツのトレーニングを受けさせられて、身体を使った反復訓練を苦に思わない性格なので、そういう点でも適正があったのか。
「聞くだけで英語がペラペラに!」みたいな英語教材の如何わしい広告を見るたびに、「そんなわきゃないだろう」と思っていた。無論、「聞くだけ」ではダメで、基礎的な学習やら、読み書き会話を日々行う機会を設けないとダメだろうけど、「ながら」でも毎日ある程度の時間、外国語を聞き続けるのは、耳や脳を鍛える効果があるようだ。
▲ちなみに、私が中国語を学び始めた頃は中々上達しないので悩み、外国語学習法の本を幾つか読んでみたけど、この本は非常に良い内容だった。レビューでも書かれているけど「名著」である。中国語だけではなく、さまざまな外国語の学習体験が紹介されているけど、外国語の習得方法は人それぞれであり、絶対唯一の方法はないのだろう。多くの人々のやり方を参考にする上で、この本は大変有益である。