【重要】『中国が覇権むき出し、防衛ラインに「第3列島線」浮上』指摘され始めた「第3列島線」は、ハワイから南太平洋の島嶼国サモアを経由し、ニュージーランドに至る軍事防衛ラインだ。 https://t.co/jVN434eAe4
— 黒色中国 (@bci_) May 6, 2019
▲こんなニュースがあったのですが、これって産経の有料記事で肝心の中身が見られません(´Д⊂グスン
そこで、こちらで関連すると思われる情報を探ってみることにしました。
【目次】
中国の「第三列島線」の定義
先のニュースツイートの連投にもツイートしておきましたが
第三列島線の概念や言葉そのものは最近になって出てきたのではなくて、以前からあるものです。
▲こちらは百度百科に掲載されていた地図。
百度百科の説明によると、
“第三岛链”基地群是美国的战略基地,也是美国前沿部署兵力的“大后方”,对航母更是有着强大的支持能力。至2013年,美海军第三舰队的5个航母战斗群驻扎于此。
(第三列島線基地群は米国の戦略基地で、米国の前線に展開される兵力の「大後方」でもあり、空母に対する強大な支持能力がある。2013年に至るまで、米海軍第三艦隊の5つの空母戦闘群がここに駐留している)
とあります。
米海軍第3艦隊
▲こちらを見ると百度百科で指摘されていた米海軍第3艦隊の詳細があるので、そちらを見ていただくとして、
▲この地図上の「3F」が第3艦隊の担当海域。ちょうど、第三列島線の東側にあたります。
2008年のキーティングの証言で有名になった「ハワイを基点に太平洋を東西に分け、米中で分割管理しよう」という中国高官の発言も、大雑把な思いつきの提案ではなくて、3Fの担当海域を念頭に置いた発言にも思えます。
そういえば、上掲の地図上の「7F」の海域って、まんま中国が勢力を拡大しているエリアに相当しますね。
「第三列島線」に関する中国の記事
中国の検索サイトで「第三岛链」(第三列島線)を検索すると、たくさん出てくるのですが、とりあえずめぼしいものを取り上げてみると…
第三列島線に侵入せよ!
对付所谓航行自由的好办法:中国海军进第三岛链!让美澳军演难受
▲「いわゆる『航行の自由』に対応する良い方法…中国海軍を第三列島線に侵入させよ!米豪の軍事演習で嫌な思いをさせてやろう!」という内容。
これって、
▲このことですね。
その後、2018年のリムパックでも同様に、中国はスパイ艦を送っているのですが、中国側としては、スパイ艦を送り込むのとは別で、「第三列島線を侵す」ことを有意義に感じているわけです。
第三列島線を突破せよ!
▲こちらは2017年10月に記事。中国のミサイル「東風26」(DF26)は中国が第三列島線を突破するための「制勝武器」である…というもの。
中国潜水艦の第三列島線越えを阻む米軍の無人水上艦
中国はAIP推進機関を搭載した潜水艦や、原潜を保有しているけど、米軍は無人水上艦で対抗してくるから、そう安安と第三列島線を越えられないんじゃない?という内容の記事です。
▲米軍の無人水上艦って、これのことですね。
前掲の中文記事によると、米軍の駆逐艦は1日の運用コストが70万米ドルだけど、無人水上艦は1日の運用コストが1.5万~2万米ドルなので、対潜哨戒のコストを下げられる…という内容で、ようするに米軍の無人水上艦の紹介記事なんですけど、中国軍の「第三列島線」侵入を阻むもの…という認識の上に書かれているわけです。
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これら3つの記事を見ても、中国が「第三列島線」をかなり意識しているのはわかるし、第三列島線を「突破」すること、そして第二列島線までを中国の勢力圏に収めることを「前提」に、または「目標」にしているのは間違いないようです。