今更ながら気づいたけど「歺」(餐)って第二簡体字だったのね… pic.twitter.com/Zkz6zd7sWk
— 黒色中国 (@bci_) April 20, 2019
たまたま「歺」という字をPCで打とうとして気づいたのですが、「can」では出てこないので、「アレ?」と思って、調べてみたら、「歺」(餐)は第二簡体字であって、本来は中国語の文字フォントには収録されておらず、「歺」のフォントは「歹」の古字で「餐」とは関係なかった…というのがわかりました。
中国にいると「歺」を「餐」の意味で使っているのをよく見かけるので、「歺」は「餐」の簡体字だとばかり思い込んでいたのですが、いつも中文IMEで入力しようとすると「餐」しか出ない。なぜだろうか…とモヤモヤしていたのですが、やっとスッキリできました。ちゃんと知ってた人からすれば、「今更オマエは何を言ってるんだw」と笑われそうですが…。
実は、中国人にも勘違いしている人が少なくない
▲こちらはテストや作文で「餐厅」(レストラン)を「歺厅」と書いても点数をもらえるのか?という質問。
「餐厅」が正しく、「歺厅」は間違い…との回答が寄せられています。
「歺」の発音に関する質問。正しくはeの4声で、現代中国語において「餐」は簡体字でも「餐」である…との回答。
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こういう質問が出てくること自体、中国人の間でも「歺」は「餐」の簡体字じゃないのか…という誤解が少なくないためと思われます。
第二簡体字
誤解の原因は、一時期使用されていた第二簡体字(略称:二简)にありまして、
▲こちらを見ると
▲このように説明されています。民国時代の1934年に俗字の1つとして確認されており、その後、第二簡体字になっていました。
▲ちょうどこちらのコラムが、歺と餐を混用してはいけない…という語り出しで第二簡体字の説明をするコラムになっております。カンタンにアラスジを説明すると、「漢字は労働者、農民、兵士に服務するためのものであり、簡単であるほど、容易に人民に受け入れられる」との極左思想の影響で作られた、「極端に簡単にされてしまった漢字」が「第二簡体字」…という話。
▲こちらに第二簡体字の詳しい説明がありますけど、
1977年に正式公布され、1986年に廃止されたそうなので、その期間に第二簡体字を覚えた人たちが、今でも書き文字の中で一部使い続けているのと、「歺」は「餐」の第二簡体字だったけど、それ以前から「餐」の俗字として使われた経緯がある上に、「歹」の古字としてフォントに収録されているため、現在の中国人にも誤解されるほどに、シツコク生き残り続けている…という事情のようです。
▲こちら、以前も紹介しましたけど、これは非常にわかりやすい本で、超オススメなのですが、ついにアマゾンの古書の扱いで価格が30万円を突破しております(爆)
我が家にも1冊あるんですけどね…昔、神保町のワゴンセールで500円ぐらいで買ったはずなんですけど…30万円…どうしようかな…と悩んでおりますw