韓国・釜山の中国総領事館付近でベトナム人が中国への抗議活動を行っている…というニュースがありました。
これはベトナムの国営通信社が配信している中国語記事なんですけど、なぜベトナム人が韓国で中国への抗議活動を行うのか…事情がよくわかりませんので、ちょっと訳してみようと思います。
▲原文はこちら。要点を箇条書きで翻訳すると…
- 4月3日午後、韓国の釜山で韓国に旅行・在住する多くのベトナム人が、中国総領事館付近の釜山駅で集まってデモ活動を行い、中国が東シナ海で行っているベトナムへの主権侵犯と国際法違反に反対した。
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ベトナム通信社の韓国駐在記者によれば、デモ参加者は五角星紅旗Tシャツ(ベトナムの国旗をモチーフにしたもの)を着て、ベトナム語、英語、韓国語、中国語などで中国の東シナ海での違法行為に反対する内容の書かれた横断幕を持ち、反対のスローガンを声にあげた。
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中国が、ベトナムに帰属する長沙群島と黄山群島で展開する人工島建設し、東シナ海の軍事化などを進めるなどして、ベトナムの主権を侵犯する不法行為に反対した。
- 抗議者は中国総領事館に英語、韓国語、中国語で書かれた抗議書を渡し、中国がすぐに東シナ海で行っている不法行為を停止し、国際法を尊重して越中の指導者が協議を行うことを求めた。
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ベトナム人の他、今回のデモ活動には韓国の平和愛好者も参加した。
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釜山市民の李牛さんは、中国が最近東シナ海で行っている違法活動は東シナ海の緊張の原因となっており、関係各方面の利益を侵犯し、その中には韓国の航行と飛行の自由と安全の利益も含まれる。如何なる国家もその大小に関わらず、1982年の『海洋法に関する国際連合条約』 を遵守せねばならず、中国はこれを疎かにしてはいけない…と語った。
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これは韓国にいるベトナム人が1週間の内に行った2回目のデモであり、1回目は、3月27日に中国大使館付近のソウル中央郵便局で行われた。
なぜベトナム人が韓国で反中抗議活動?
ベトナムは我が国に劣らず、かなり中国に「配慮」するそうで、西沙諸島が中国に奪われたことは教科書の記載も今まで控えめで
中国への抗議デモも当局の許可が降りないことが少なくない…と何度かニュースにも出ておりました。
たぶんベトナム国内での抗議活動ができないので、第三国で行うのでしょうけれど、写真を見る限り、揃いのTシャツや横断幕…結構お金がかかってそうですね。その上で、国営通信社が取材を行って、世界にこのニュースを配信するわけですから、これはベトナム政府黙認、もしくは政府がやらせているものではないか…と思ったりもします。ただ、国営通信社が取材・配信するところからみて、「協力的」なのは間違いありません。
でも、第三国で抗議活動を行うのって、あまり影響力がないのでは…と思いながら翻訳していたら、最後に韓国人の参加者のコメントがあって、これで納得が行きました。
第三国の人間も巻き込んで、ベトナムだけの問題ではない!国の大小も関係なく国際法を守れ!…と問題意識を高めているわけで、しかも現在の国連事務総長は韓国人…国際世論の「急所」をつかみにいったようなもので、さすがはベトナム!上手いやり方だと思いました。
日本人も、こういうアクションが海外で出来るようになればいいですね。