▲こちらの記事で紹介した中国の地下教会の動画を見られた人から、これはペンテコステ派ではないか…という指摘を戴きました。
▲こちらがその動画。
そこで、中国におけるペンテコステ派の活動状況を調べてみると、意外なことが分かってきました。
「ペンテコステ派」とは?
私もこの宗派のことは全く知らなかったので、完全にウィキペディアの受け売りになりますけど、気になる箇所を要約してみると…
- キリスト教のプロテスタント教会のうち、メソジスト、ホーリネス教会のなかから1900年頃にアメリカで始まった聖霊運動。
- 現代のキリスト教音楽はペンテコステ派の多大なる影響をうけている。多くのワーシップソング(賛美歌)やゴスペルソングはペンテコステ派の音楽家によって書かれている。
▲確かに、あの動画の中でも歌っているシーンがありました。 - 2006年に、共同通信社は、世界で最も成長しているキリスト教派はペンテコステ派だと発表している。
- ペンテコステ教会の成長の最大の功労者は、キャサリン・クールマン(1907-1976)である。高校中退という低学歴ながら、病人に神癒を施し、一億人の信徒を集めたことで知られる。
▲動画の中でも信者に癒やしを与えるようなシーンがありました。 - ペンテコステ運動は、その初期、アメリカ都市部の移民・移住者・低所得層の間に広まった。彼等は言語障壁により社会的に抑圧された階層であり、「超自然的に獲得した言語能力により自らを聖別する」「情緒表現を抑制せずむしろ鼓舞する」この運動の特徴が特に彼等にアピールした結果と考えられている。
▲動画の中で出てくる中国人信者のみなさんもあまり経済的には恵まれていない様子でした。それと「情緒表現を抑制せずむしろ鼓舞する」というのも丁度合致すると思います。
▲こちらはウィキペディアのペンテコステ派の解説にあった写真ですけど、確かに動画の中でも似たようなシーンがありました。
ペンテコステ派は中国で最も迅速に発展している?
「ペンテコステ派」は中国語で「五旬节运动」(五旬節運動)といいます。このキーワードで検索してみたら次のような情報が出てきました。
【中国で迅速に発展するペンテコステ運動】2007年に中国のキリスト教徒は最高の推計で1.11億人に達したが、その内の9割はプロテスタントであり、信者の数を最も早く増大させたのが「ペンテコステ派」である。 https://t.co/BwhjDrN44G
— 黒色中国 (@bci_) 2015, 12月 6
中国におけるペンテコステ派の信者の具体的な実数は不明ですけど、迅速に信者を拡大させている…というわけです。上掲の動画を見る限り、活動は歌や踊りが中心で、聖書のような印刷物を読むようなところがほとんど見当たらない(一部だけでてきますけど)。これだと識字能力が低い階層の人たちにも受け入れやすそうですね。そういうところに、ペンテコステ派が中国で勢力を拡大しやすい理由があるように思います。
現代中国の宗教―信仰と社会をめぐる民族誌 (東北アジア研究専書)
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