黒色中国BLOG

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四川省の「がん村」の村民がゴミ処理場の水質汚染に抗議、警察に鎮圧される…現地の様子を探ってみました

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中国にはがん患者が多発する「がん村」(癌症村)と呼ばれる場所がありますが、その内の1つである四川省閬中市金亀壩村の村民が、市庁舎を取り囲み、ゴミ処理場の水源汚染に抗議したところ、武装した警官に殴られ、トウガラシスプレーをかけられて鎮圧…とのこと。

▲こちらのニュースを要訳してみます。

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  • 7月28日、四川省閬中市金亀壩村の百名を越える村民が、市庁舎を取り囲み、ゴミ処理場のもたらした水質汚染の解決を求めたところ、一部の村民と警察の間に衝突が発生。負傷者と逮捕者が出た。
  • 当局は、既にゴミ処理場でのゴミ廃棄は停止しており、村民にキレイな水道水を提供することを承諾…と発表。
  • 問題のゴミ処理場は2003年に建設され、その翌年から運用が開始。村民によれば汚水は直接、嘉陵江(現地で有名な大きな川。四川省の東寄りを南北に流れ、重慶で長江に合流する)に流され、ゴミは処理を経ずにゴミ処理場で埋められている。
  • 村は人口1千人ほど。ガンや心臓病を患う人が毎年20数名に達することも。

ゴミ処理場の周囲では臭気が酷いそうですが、一体どういう状況なのか場所と写真を探してみました。

場所:四川省閬中城市生活垃圾総合処理廠

微博の情報を見ていても、国道212号線云々とありますので、たぶん場所はここだと思います。嘉陵江から離れていますけど、微博の写真を見ると、ゴミ処理場にも水辺が見え、小さい用水路のようなものも見えますので、どこかで嘉陵江に流れ出しているのでしょう。

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グーグルアースで確認してみました。左に見える南北に走る道路が国道212号線、そこから右にちょろっと道が走っていて、青い屋根1つを含む建物群につながり、その左側にまた道路があって畑とは別の白っぽい地面が見えます。たぶんここがゴミ処理場なのでしょう。

この写真では見難いですが、周囲には貯水池のようなものが見え、小川が走っているようなので、汚染物質はそれらを通じて周囲に流出しているのかも知れません。貯水池はたぶん農業用に使われているのでしょうが、だとすれば農作物への影響も予想されます。

「がん村」の汚染状況

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▲たぶん見る限り、ゴミの分別収集は行われていないように思います。

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▲手前に水が見えますね。もしかしてこれで「処理」した状態なのかと。

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▲この地の水が嘉陵江につながっているようです。 

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▲写真を見るだけでも臭ってきそうです。

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▲蛇口を開くと黒く汚れた水が…この地域の浄水施設は一体どうなっているのでしょうか。

地図と写真で改めて確認して気づいたのは、どうしてわざわざ周囲が農地で人も住んでいるところにゴミ処理場を作ったのか…ということですね。国道から近いので便利、というのもあったんでしょうけど。

▲先日の深センのゴミ焼却施設の件でもそうでしたが、建設すれば間違いなく住民の反対に遭うようなところに、敢えてお粗末な施設を作ってしまうことが、中国のこの手の住民抗議の原因になっているように思います。

中国汚染の真相 「水」と「空気」で崩れる中国 (社会)

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