ツイッターで表題の件について質問を受けたのですが、「そりゃ羊でしょう!」と思いつつも、確認のため幾つか検索してみたら…なかなか情報が出てきませんでした。
「何か変だな?…」と思い、更に調べてみると、これが意外な展開になっていたのでした。
▲まず、いつもの百度百科(中国のウィキペディアみたいなの)で山羊を調べると…
- 山羊は繁殖力が高く、適応性が高く、管理しやすい…などのメリットから、中国で広く飼育されている。
- 改革開放以来、中国の山羊業は迅速に発展したが、生態環境の破壊により、近年は内モンゴル、遼寧、新疆などの主要飼育地区で相次いで禁牧、限牧などの政策が実施されている。
尖閣で山羊の数が増えすぎて環境破壊が…という話がありましたけど、中国でも飼育しやすいことから数が増えて、自然環境への影響が出てきて、政策でコントロールするようにまでなってきたわけです。
▲百度で調べていると、この手の「山羊を100頭飼ったら1年で幾らもうかるの?」みたいな質問が多いですね。山羊は何でも食べちゃうので、とりあえず100頭でも飼って、家の周りの草を片っ端に食わせていたら、儲けになるかな?という人が多いのでしょうね。
近年、日本でも話題になりましたが
山羊は草なら何でも食べるので、除草にも使えるわけで、中国の草がたくさん生えているようなところだったら、山羊を飼うのは身近な金儲けの1つなのでしょう。
でも、色々読んでいる内に何か変だな…と気づいたわけです。
中国では「羊」と「山羊」の区別がない?
中国の山羊の生産量を調べていると、「羊」と「山羊」が明確に分けられていない?山羊も羊扱いされている?というのに気づいたのです。
▲そこで調べてみると、こういうブログ記事が出てきます。
▲こちらは「2015年の中国の肉羊産業発展の現状」という記事。「肉羊」って何のこと?と思いましたが、日本語でも、「肉牛」とか言いますよね。食用の羊のことを指すようです。
▲上掲のリンク先からスクショで引用しますが、このように「羊の総数」とその内訳(山羊と綿羊)となっております。2007年には山羊は綿羊よりも多くなり、2012年からは山羊は少なくなっています。これは環境に配慮した政策の影響かも知れません。
ただ、統計の数をみると、中国で生産されている食用の山羊と羊の数は増減や変化はあれども似た感じで、どちらかが著しく多かったり少なかったりするものではありません。
いままで、私は中国で羊ばっかり食べてきて、山羊を食べた記憶はない…と思っていたんですけど、けっこう知らないところで食べていたのかも知れない。この点は、今後もうちょっと深掘りして、再確認しようと思います。
ミルク用の山羊
▲中国の山羊の頭数を調べていたら、こちらには1200万頭と。あれ?少なくないかな…と思い読み進めてみると…
「奶山羊」と書いているので(「奶」は「乳」の意味)、「乳牛」なんかと同じく、「乳山羊」…つまりミルクをとるための山羊ですね。以下要訳すると…
- 中国で乳山羊が1年間に生産するミルクの量は360万トン。
- その内の三分の一が「商品奶」(乳製品のことと思われ)の生産に用いられ、その内の90%が粉ミルクとなり、その内の六分の一が乳幼児用、食品工業用が六分の三を占める。
▲どこでも簡単に飼えちゃう山羊は、中国でミルクの生産にも用いられているようです。だから、中国で乳製品を食べていると、山羊のミルクが原料として含まれていることはありそうです。
こちら、また別の機会にちゃんと調べてみようと思います。ちゃんとした答えにならなくてすみません。
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