黒色中国BLOG

中国について学び・考え・行動するのが私のライフワークです

【追悼】中国の若手写真家レン・ハンが死去

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私が尊敬していた写真家だったので、このニュースを見て大変ショックを受けました。いまだに、これは何かの間違いで、フェイクニュースじゃないのかと、訃報を信じられません。

なぜ僕が中国のタブーに挑戦するのかって?じゃあ、なぜ中国のタブーは僕に挑戦しない?

元々、私は写真が好きで、かなり以前から、中国の写真家についても関心を持って、中国の写真雑誌をよく読んでいました。

そうしている内に、たまたまネットで見つけたのがレン・ハンでした。

▲このレン・ハンについてのドキュメンタリーは、短いながら彼の人柄や作家性を明確に伝えています。

8分50秒あたりから、彼の独白が始まります。

僕が中国で撮るのは、この国が好きだから。

ここが自分の国で、自分はここで生まれたから。

僕を制約するからこそ、ここにいたい。

自分の国でやりたいことができないなんて、

そんな人生は悲惨すぎる。

穏やかな生活をただ送りたいだけ。

でも中国でそれは許されない。

なぜ僕が中国のタブーに挑戦するのかって?

じゃあなぜ中国のタブーは僕に挑戦しない?

2つは平等の関係だと思う。

どちらが強いかじゃない。

私はこの言葉を聞いた時に、彼は本物の表現者なのだと悟りました。中国共産党が最も憎み嫌う、手強いタイプの人間だと思いました。

ドキュメンタリーでも触れられていますが、彼は当局の妨害を受けていました。自殺の理由は何なのか?それをネットでわかる限り調べてみようと思います。

百度百科:任航

▲中国語ですけど、百度百科のレン・ハンの解説はこちら。すでに自殺のことも書き加えられていますが、理由については書かれていません。

f:id:blackchinainfo:20170225221537j:plain

抑うつ症のため飛び降り自殺?

▲こちらのニュースを要訳すると

  • 2月24日、抑うつ症のため飛び降り自殺

とありますが、抑うつ症の原因については何も書かれていません。

彼はずっと抑うつ症の原因を探していた

▲こちらに抑うつ症のことが書かれていましたので要訳します。

  • 長らくレン・ハンは抑うつ症であったが、自殺の徴候は全く見られず、身近な人々は皆信じられずにいる。
  • かつてレン・ハンはインタビューで、大学1、2年の時に薬を飲み始めたと答えていた。
  • 薬を飲むと、死んだように横たわり、悲しくもなく、楽しくもなく、植物人間のようになった。
  • 抑うつ症は彼に自傷傾向を与えた。
  • 「お金がない、失恋した、騙された…何もない。家庭の不和…ない。親の離婚…全くない。僕の人生はとても正常だ。」彼はずっと抑うつ症の原因を探していた
  • 「たぶん、正常すぎたのかも知れない」とレン・ハンは言った。薬を飲んでも、彼の病気は良くならなかった。
  • 毎回それは突然やってきた。周期は大体半月か一ヶ月に一度、繰り返した。
  • 今年の1月27日、レン・ハンは微博で彼の新年の願い事を書いた。

f:id:blackchinainfo:20170225225149j:plain

  • 每年许的愿望都一样:早点死。」(毎年同じ願いごと:早く死にたい)
  • このツイートは厳粛で、芝居がかった様子はなかった。

これらの内容から判断する限り、かなり前から抑うつ症に苦しんでおり、大学の頃から薬を飲み始めたようです。

私は、彼の訃報を知って最初に、彼が中国当局からの妨害を苦に自殺したのではないか…と思ったのですが、それも彼の抑うつ症をひどくした原因の1つだったかも知れないものの、写真家としての活動を始める前から、彼は抑うつ症だったようです。

出来れば、いつか彼に会ってみたいと思っていましたが、非常に残念です。

故人の冥福を心よりお祈りいたします。

【追記】レン・ハンの葬式の写真集?

 「Our Friends」とだけ書かれた写真集。レン・ハンの葬式に集まった人たちを撮影したものでしょうか。私もこの写真集を探してみようと思います。

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