【閲覧推奨】『「中国軍はヘリで尖閣を急襲する」と米研究機関…東シナ海制覇を目論む中国の野望』■尖閣制覇の目的は?■着々と進んでいる尖閣奪取の準備■沖縄や先島諸島も狙われている■「沖縄を含む琉球諸島は本来は中国の主権に帰属する」 https://t.co/lTW1SE58qX
— 黒色中国 (@bci_) 2016年7月6日
興味深い記事だったので、「閲覧推奨」としてツイートしましたが、内容に幾つか「?」なところがありますので、こちらで詳細を調べてみたいと思います。
「国際評価戦略研究センター」と「リチャード・フィッシャー」氏
ワシントンで中国の軍事動向を研究する民間機関「国際評価戦略研究センター」の主任研究員リチャード・フィッシャー氏
▲「国際評価戦略研究センター」とはこちらのようです。
▲その中にリチャード・フィッシャー氏の説明がありました。一部抜き出してみると…
- authority on the PRC military and the Asian military balance and their implications for Asia and the United States.
中共軍とアジアのミリタリーバランスの権威だそうです。 - His most recent book is China’s Military Modernization: Building for Regional and Global Reach (Praeger Security International).
彼の最近の著書は『中国の軍事近代化』 - Fisher has worked on Asian security matters for over 20 years in a range of critical positions -- as Asian Studies Director at the Heritage Foundation,
アジアの安全保障に関して20年以上の業績があり、ヘリテージ財団のアジア研究ディレクターでもあったようです。
但し、古森さんが取り上げた「中国軍はヘリで尖閣を急襲する」の報告書はこのサイトでは見つかりませんでした。考えてみると、古森さんは報告書からたくさん引用して記事を書いているものの、報告書のタイトルを明らかにしてないのですね。
「尖閣を含む琉球諸島の南部を重点的な対象」
- レーダー網や電子諜報システムの近代化
- J-10やJ-11など第4世代戦闘機の配備
- 新型の早期警戒管制機(AWACS)や電子諜報(ELINT)の配備や強化
- (4以上のような戦力の演習の頻度増加
これらの4つが、「尖閣を含む琉球諸島の南部を重点的な対象」として行われているとあるんですけど、これらの4項目ってどこの軍隊でもやってそうな気がするし、「尖閣を含む琉球諸島の南部を重点的な対象」としている根拠って何なのだろうか…と疑問に思いますね。原文読まないとわかりませんね。
尖閣制覇の目的
尖閣の制覇には二重の目的があると分析する。つまり、“台湾攻略のための戦略拠点を確保する”、および“2020年頃までに東シナ海全域で中国の戦略核潜水艦活動の自由を確保する”という目的である。
この2つは私もそうだと思います。
▲こちらのツイートでも書きましたけど、中国の「侵略」は「領土完整」(失地回復)でして、目下、台湾併合が何よりも優先されるし、蔡英文さんが総統になるのが決まってからも「独立阻止」に向けての動きが強化されている。
日本国内では単に領土欲やエネルギー資源を求めて、中国が尖閣を侵略すると言われることが多いのですが、中国にとって尖閣は、あくまでも台湾併合の一部でしかないはずです。
巨大洋上基地
中国は、2015年7月に公開した巨大な「洋上基地」の東シナ海への配備を実際に進め、尖閣攻略の有力な武器にしようとしている。この洋上基地は軍用航空機と軍艦の洋上の拠点として機能するため、中国が占拠した尖閣諸島に曳航すれば、即時に新軍事基地となる。
これについて調べてみました。
▲こちらの記事に
中国冀东发展集团在今年7月底的国防科学成就展会上首次展出了中国自主研发的首个大型海上浮体(VLSFs)。该“浮体”由多个小浮体模块儿组成,这些小模块儿可以在海上实现重组、拼接,从而形成一个大型或超大型浮体平台,可用于旅游开发、浮式码头、军事基地甚至海上机场使用。
中国冀東発展集団は今年(2015年)7月末に国防科学成就展覧会で中国初の自主開発の大型海上浮体(VLSFs)を初めて出展した。この「浮体」は多くの小浮体モジュールから組成され、これらのモジュールは海上で組み替えたり、繋げたりして、大きな浮体プラットフォームを形成できる。旅行開発や、浮式埠頭、軍事基地及び海上空港として使用できる
とありました。でも、まだ構想のみで実物はないようです。
もう少し、他の情報もあたってみます。
桁架的标准面积分90×300米、120米×600米和120米×900米三种规格。根据需求拼接组成,可无限放大,相当于多个船体并联,形成海上浮岛式的平台。配置动力可以以每小时18公里的时速进行移动
要訳すると…
- 桁組の標準面積は、90m×300m、120m×600m、120m×900m の3種類の規格である。
- 動力を配置すれば時速18kmで移動が可能
http://www.cnwnews.com/html/soceity/cn_js/wqzb/20160112/778288.html
▲こちらに発表会の様子もありました。
一般来说,排水量在30至50万吨,建设长度达到1000至2500米长的跑道,可以起降上200架陆基战斗机,无人机、直升机、大型运输机和预警机,也可以作为登陆作战舰艇和气垫艇的中转基地和前进要塞基地使用。
- 排水量は30万~50万トン。
- 1000mから2500mの滑走路を建設できる。
- 200機の陸上戦闘機、無人機、ヘリコプター、大型輸送機、早期警戒機が離着陸出来る。
- 上陸作戦艦艇とホバークラフトの中継基地、要塞基地にも使用できる。
…と説明されていました。平和利用もできるけれど、冀東発展集団としては軍事利用を主に考えているのではないでしょうか。
「ヘリで急襲する」、というのは実現の可能性があるのかも知れませんが、この巨大海上基地についてはまだ構想段階のものとして見ておくべきと思います。
巨大海上基地をいきなり尖閣や先島に持ってくることは無理そうですが、日中中間線にあるガス田あたりまで「平和的な名目」で持ってきて、有事の際に利用するのはあり得るのかも知れません。