黒色中国BLOG

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中国のGDP操作疑惑とGDPの「質」について

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中国のGDPの真偽については、ツイートする度に話題になる。

有名なところで、李克強の「遼寧省のGDP成長率など信頼できません」(参考:李克強指数 - Wikipedia)という発言もあったりで、中国共産党の指導者も、中国のGDPに信頼をおいていないようだ。

ただ、この話題が出る度に私が思い出すのは、以前、人民網で出たGDPの「」に関する論評である。

肝心なのはGDPの数値ではなく質

以下、人民網の論評から引用する。

会場にいた専門家たちは、世界の3分の1のGDPを占める米国は世界最大の経済大国ではないかと言ったが、私はGDPの数値だけを見るのではなく、その構成を見る必要があると答えた。

 では今の米国のGDPの構造はなんだろうか。宇宙産業、航空産業、船舶生産、航空母艦も自分で製造している。民間航空機や軍用航空機もそうだ。そして米国の世界一の軍事的優位を支えているのは、コンピューターやバイオテクノロジー、現代農業である。

では、現在の中国のGDPの構成はどうなっているのか?

▲こちらのページから引用すると…

  • 日本では6割、アメリカなどは7割にも達する個人消費が、中国ではGDPの35%に過ぎません。
  • 中国は輸出で稼いでいるというイメージが強いですが、実際にはGDP比4%程度に過ぎません。
  • 中国のGDPは「総固定資本形成」の割合が、他国と比べて突出して多い事が分かります。総固定資本形成とは、建物などの不動産や、道路・橋・空港・港湾などの社会インフラの建設費など、民間や政府が行う設備投資の事です。
    (中略)
    中国の47%というのは異常です。日本が80年代の不動産バブル期でも、総固定資本形成の比率は30%強だったそうですが、現在の中国はその1.5倍です。

日本で中国のGDPが語られる時、過大評価か、全くのデタラメとしての誹謗中傷…と極端に別れる傾向があるけれど、結論ありきの中国贔屓/中国増悪ではなく、慎重にGDPの「質」を分析する必要があるだろう。

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