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黒色中国BLOG

中国について学び・考え・行動するのが私のライフワークです

【南シナ海・南沙諸島】中国軍機が人工島に初着陸

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bci.hatenablog.com

▲今年1月、年明け早々に中国の民間飛行機が、中国が建設している人工島ファイアリー・クロス礁に試験飛行を行いましたが、昨日17日に軍用機がファイアリー・クロス礁に着陸したとのニュースが発表されました。軍用機による同島への着陸は今回初めてのものです。

mil.huanqiu.com

▲中国の環球時報の記事を要訳致しますと…

  • 17日午前、海軍は重病人3名の緊急救援要請を受けた。
  • この重病人3名は人工島ファイアリー・クロス礁(中国名:永暑礁)の建設作業員のようです。
  • 中国の専門家によれば、軍用機が人道救援任務を執行するのは正常であり、理解できる…とのこと。
  • ファイアリー・クロス礁に向かったのは海軍のY-8海上パトロール機
  • 同日午後1時50分に病人3名を乗せたY-8は三亜鳳凰空港に着陸。
  • 中国の大部分の海上パトロール機はY-8で行われている。Y-8はもともと輸送機であるが、積載能力が高いため、パトロール・偵察のための設備を搭載し、パトロール機にすることができる。
  • Y-8は滞空時間が比較的長く、一般的に6~8時間の飛行が可能である。
  • ファイアリー・クロス礁の空港は、中国最南端の空港の1つである。戦闘機が駐留すれば、500km内の制空権が保障される。

「重病人」の容体は?

www.mingjingnews.com

f:id:blackchinainfo:20160418215009j:plain

▲こちらを見ると、今回の救急搬送の様子を伝える写真があります。どうやら救急車ごと病人をY-8に乗せたみたいです。

■【参考】Y-8 (航空機) - Wikipedia

▲Y-8についての詳細はこちらを御覧ください。

「重病人」というのは、軍用機着陸のための「口実」のような気がするのですが、明鏡新聞の記事を読むと、3名の作業員の病状が書かれていました。以下参考まで。

  • 1名の作業員は、消化管出血が突発。現地では輸血ができないため、危篤状態にあった。
  • 他の2名は、腰椎骨折、尿管結石または盲腸炎とのこと。
  • 南シナ海の上空でパトロールにあたっていたY-8が連絡を受けて南沙諸島に急行、ファイアリー・クロス礁に着陸し、3名を海南島三亜市の425医院まで運んだ。

湧き起こる幾つかの疑問

一連のニュースを読んでいると、疑問が湧いてきました。

  • ファイアリー・クロス礁では大規模な人工島建設が行われてきたわけですが、空港が出来る以前に重病人が出た時はどのように対応していたのか?
  • ファイアリー・クロス礁で任務に当たる人員は、最低でも数百から千人以上の規模と推定されるけど、なぜ医療施設が用意されていなかったのか?(ただし写真を見ると立派な救急車は島に配備されている)
  • 今回の「重病人」3名の内訳を見ると、消化管出血で輸血が必要だったけど島にはその設備はなかった(なぜないのか?)、腰椎骨折(建設作業中の事故で、骨折ぐらいは起こりそうなものだけど島ではその程度の用意がない?)、結石または盲腸炎(ようするに腹痛が激しくて、そのいずれかと思われる…ということなのでしょうけど、これこそ空港が出来る前はどうしていたのか?)
  • これら3名の重病人の緊急救援要請が行われたのは17日の午前中だったけど、3名が同時に17日の未明かその前日に発症したのか?
  • たまたま南シナ海のパトロールにあたっていたY-8はプロペラ機である。緊急性がある救急搬送なら海南島からジェット機を飛ばした方が往復させても速かったのではないか?(海南島からファイアリー・クロス礁は距離1178km。今年1月に行われた民間機によるフライトでは片道2時間)

ファイアリー・クロス礁には立派な救急車があるので、一応医療施設もあるのでしょう。輸血や骨折の治療ぐらい島でもなんとかなりそうなものです。それに、海南島からはジェット機を使えば片道2時間でフライト出来るわけで、たまたまパトロールに出ていたプロペラの輸送機を使う以外に手がなかったとは到底思えないのですね。大体、空港が出来た時点で、このような緊急時の利用体制は組まれていそうなものだし。やっぱり、実効支配を強化するための口実じゃないのかな…と思った次第です。

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