黒色中国BLOG

中国について学び・考え・行動するのが私のライフワークです

【黒色中国推薦】『中国で美味しいと思うもの』(基本的にどこでもゲットできるもので)

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中国の食べ物は危ない!毒が入っている!衛生が酷い!というのが日本では通説になっているけれど、最もその危険性を感じているのは、中国人である。近年、中国の食の安全に注目が集まるようになって、かなり改善してきたとは思うものの、それでもまだ安心できないのも確かである。

ツイッターを6年もやって、色んな立場の人と話している内に、中国に旅行や出張で行くことになって、食べ物に困る、外食が怖い、街中の屋台や市場の小吃なんか興味があるけど手を出せない…という人が少なくないのがわかってきた。

そこで、中国なら何処でも手軽に入手できて、安心して飲食できるもの…を取り上げてツイートしてみたところ、大変反響が良かったので、こちらでも改めて加筆して掲載することにしました。

蒙牛の緑豆アイス

「蒙牛」とは…

蒙牛乳業 - Wikipedia

中国のトップ乳製品国有企業である。“蒙牛”をブランドとする牛乳や乳飲料、ヨーグルト、アイスクリームなど乳製品の生産を手掛ける。

(中略)

当初は牛根生前会長が創業した民営企業だった。2004年に香港証券取引所に上場した。2008年のメラミン事件をきっかけに、一年後国有企業の中国糧油食品集団が資本参加し、国有企業になった。2012年、デンマークのアーラ・フーズとフランスのダノンと資本提携し、品質管理は徹底改善した。

 …という経緯を持つ企業である。メラミン事件があったものの、その後改善して、信頼できる企業の1つになっている。この企業が出している「緑豆アイス」(绿色心情)が非常に美味しいのである。

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蒙牛绿色心情_百度百科

▲なんと、百度百科(中国のウィキペディアのようなもの)にも単独で解説ページが存在する。

いつ頃から発売されたのかは不明だが、2005年には既にあった。当時1元。店によって価格は違うが、今は2元ぐらいで買える。

中国にいて、暑い季節になると、1日1本は必ず食べたくなってしまう。大体どこのコンビニ、雑貨店でも置いている。人気商品なので他者から類似品が出ているものの、やはり蒙牛のものが一番美味しい。中国のこの手のものは、どぎつい甘さや着色料が使用されていることを想像してしまうが、緑色心情は甘さ控えめで、色も冴えない感じ。日本人好みの素朴な味なので、安心して食べられる。

KFCの老北京鶏肉巻

KFCは中国で最も成功しているファストフード店ではないかと思う。そもそもは、圧力鍋で揚げるフライドチキンというのが中国人の味覚にピッタリであったため、KFCの中国進出後、普通の市場でKFCを模倣したフライドチキンがよく売られていた。

たまたま中国人の味覚に近い食べ物がKFCのメインの売り物であったからだろうか、中国のKFCはかなりローカライズに力を入れている。

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▲「老北京鶏肉巻」は日本のKFCの呼称で言えば「ツイスター」である。小麦粉の皮にフライドチキンとキュウリと葱を巻いて、甜麺醤をかけている。北京ダックの食べ方によく似ている。かなり日本人の味覚にも近いもので、これを食べた日本人の多くがハマってしまう。日本のKFCでもこれを販売すれば良いのに…と思うのだが。

KFCの豆乳

KFCのローカライズは徹底しており、朝はお粥を売っているし、コーラなどの飲料の他に、豆乳も用意している。

以前、中国で友人と会った時、スターバックスにでも入ろうか…と提案したら、「コーヒーは好きじゃないので、豆乳を飲もう」と言われて、連れて行かれたのがKFCだったのである。

KFCは西洋渡来のファストフード店である。そんな店の豆乳なんか美味いわけないだろう…と思っていたら、これが全然美味しかった。中国のあちこちで豆乳を飲んできた私としては、豆乳は鮮度が命と思うのだが、KFCの場合、回転率がいいので、いつも新鮮な豆乳が用意されているのだろうか。豆乳だけに限らないが、KFCは中国進出にあたって、かなり中国人の味覚を研究したのではないかと思う。

康師傅のカップ麺

康師傅 - Wikipedia

台湾彰化県が発祥、香港証券取引所に上場する食品メーカーの一つである。主な業務はインスタントラーメン、飲料、菓子類などの食品の中国における生産

(中略)

本部は、中華人民共和国天津市浜海新区の天津経済技術開発区(略称: TEDA、泰達)に置かれている。中国における最大の台湾企業であり、同時に台湾の主要な食品会社である。

 とかく、中国の食品は日本で忌み嫌われるけれど、康師傅はそもそも台湾の企業である。それがわかると、中国嫌いの人にもちょっとは安心できるかも知れない。

康師傅は総合食品メーカーのようになってしまったので、色んな製品があるものの、一番有名なのは、カップ麺である。赤い色の「紅焼牛肉麺」がスタンダードなタイプだけれど、これは何度食べても飽きない。日本にいても食べたくなる独特の味がある。

康師傅のカップ麺が美味しいのは、まずは麺のコシ。そしてスープに特徴があると思う。康師傅のカップ麺を作ったことのある人なら経験があると思うが、スープの入った袋を開ける時に、クシャミをすることが多くないだろうか?スープの粉末を非常に細いものとしているので、湯に溶けやすく、麺に味が馴染みやすい…という話を聞いたことがある。 全く中国の食べ物に慣れない人だと、最初は独特の味に抵抗感があるかも知れないけど、慣れるとあの独特の風味と辛さがやみつきになると思う。中国で聞いた話によると、康師傅はカップ麺の成功で、その他の製品開発もかなり予算をかけて行われているので、この手のお菓子や飲料のブランドの中では少し高級。その上で品質も良いという。店頭に色んな企業の製品が並んでいる中で、どれを買うか迷うようなら、私は必ず康師傅から選ぶ。

緑色の唐辛子が入った鶏の脚

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中国語で「泡椒鳳爪」と書く。「鳳爪」(鳳の爪)と書くと大げさな感じだが、中国語では鶏の脚をこのように書く。「漬物」のことを「泡菜」と書き、足裏マッサージで足を薬湯に浸すのを「泡脚」と書く。「泡」には「液体の中に浸す」という意味があって、つまり「椒」(唐辛子)を鶏の脚と共に漬け込んだものである。

中国で仲間とちょっと酒を飲む時に、中国人がツマミを用意すると必ずといって良いほどこれを買ってくる。日本の感覚で言えばスルメみたいな感じだ。中国のコンビニや雑貨店に行くと必ず売っている。小さい店でも数種類、グレードの違うものが置いてあることが多く、高いからと言って美味いわけでもなかったり。これもなかなか極め甲斐のある食べ物である。

雪花ビール

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中国のビールといえば、青島ビールが圧倒的に有名だが、たぶんそれは日本で輸入される中国ビールがほぼそれだけしかないためだろう。中国に行くと、それぞれの地域に様々なローカルビールがあり、それを飲むのが楽しみである。

そういうローカルビールとは別で、全中国どこでも手に入るビールがあって、その1つがまず青島ビールである。最近はハルピンビールもがんばってる。しかし、現在の中国でナンバーワンのビールと言えば、雪花ビールであろう。

雪花ビール - Wikipedia

中国の全国的なビール・ブランドで、現在中国で最も生産量が多いものである。

(中略)

雪花啤酒は中国の全国的なビール・ブランドで、現在中国で最も生産量が多いものである。1994年に中国で創業した華潤雪花ビール(中国)有限会社(本社:北京)が生産・販売していて、現在は香港の華潤創業(:香港証券取引所上場企業)とSABミラーとの合弁会社になっている。
雪花ビールの生産は中国の19の省にある約60か所の工場で行なわれており、全国ビール生産の約20パーセントを占めているといわれている。輸出はいまのところ僅少である。

私の感覚では、しばらく前までは、「雪花」と言えば、安いだけが取り柄で、レストランの冷蔵庫に入っているけど、青島がなかったら、雪花でしょうがないか…という意識しかなかった。

去年、中国をあちこち旅している時に、たまたま入った店で雪花しか置いてなかった。田舎だからしょうが無いのか…と思って飲んでみたら…これが何とも美味いのである。例えて言えばキリンラガーを軽めにしたような味わいである。店の人に聞いてみたら、「このビールはよく売れて回転が良い。だからいつも新鮮で美味しいのではないか」という理由をあげてくれた。

雪花ビールも数種類のグレードがあるけれど、高い方が美味いとは限らない。5元前後で売っている真ん中ぐらいのグレードのがあって、それが一番美味しいと思う。不思議なことなのだが、青島でも一本10元を越えるような高級ビールが存在するけれど、それが美味しいとは限らない。高級志向になった時に、日本人と中国人の味覚の差が出てくるのかも知れないし、一番売れるタイプのものが、一番鮮度も良くて美味しい作りになっているのかも知れない。

よく冷やした雪花はとても爽やかな口当たりと香りがあって、肉にも魚にも良く合う。たぶん、中国で全国展開するビールとして、中国各地の人の味覚に合うように試行錯誤した結果、日本人にも受け入れやすいクセのない味になったのではないか。

※ ※ ※ ※ ※  

中国の食品は、手放しで安心できないものの、ちゃんとした企業が、しっかり管理しているものであれば、安全は確保されているし、よく考えて作られているので、日本人の味覚にも合うものは少なくない。

なんでも頭ごなしに毛嫌いするのではなく、製品の背景をよく知れば、安心して美味しく食べられるし、そこから中国社会の背景が見えてくることもあるだろう。

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