黒色中国BLOG

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【上海・老西門】辣肉絲麺館の老上海紅蝦醤辣肉絲拌麺

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いつも食べ物のことばかりツイートしている私だが、本当のところを言うと、それほど食べ物には興味がない。普段はいつも手近にある簡単なものばかり食べている。特別珍しい物、美味い物を食べたいとは思わないわけだが、その土地の文化とか歴史と関係するものは、食べたいと思っている。

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そういう私にとって、上海で気になるのは、この地の麺文化であろう。日本で中華麺といえば、かん水を入れた黄色の歯ごたえのある麺を思い浮かべる人が多いと思うが、上海の麺は打ち立てのかん水なしのものを茹でたてで食べる。どこの町にでも小さな製麺所があって、打ち立ての麺が買える。

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打ち立て茹で立ての麺を味わう上海の食文化の中で、最上の食べ方は「葱油拌面」ではないかと思う。これは葱を加えた油をじっくり加熱して作った「葱油」を茹でたての麺にかけて、絡めて食べる汁なし麺だ。日本の「油そば」に近い。昔、上海に住み始めた頃、毎日こればかり食べていた。

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次に「辣肉」を加えた「辣肉麺」の2つをもって上海麺食文化の双璧であると思うのだが、以前からこの「葱油拌麺」と「辣肉麺」の2つを極めてみたいと思っていた。ところが、この10年ほどは再開発が進んで、上海の麺の老舗が次々に姿を消してしまっていたのである。

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いつ頃からだろうか…上海のどこかに、伝説的な麺の店があって、しかもそこは「辣肉麺」が自慢であるという噂を聞いた。たまたま上海の友人にその話をしてみると、「あ、それってたぶん、俺が昔住んでた家の近所だよ」と、思いがけない手がかりを得たため、早速その店に向かってみたのである…

伝説の辣肉麺を探して

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その辣肉麺の店は、盧湾区の肇周路にあるという。地下鉄の「老西門」駅を下車して3分と掛からないところ、プラタナスの並木道にある、小さな店だ。

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店名を「辣肉絲麺館」という。上海のどこにでもありそうな、平凡そうな麺の店である。「噂」を知らなければ、普通の店と思って通り過ぎてしまうだろう。ただ、客だけはやたらと多いような気がする。流行っているのは間違いない。

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店の目立つところに、「本店の特色は拌麺を以て主と為す」とある。汁麺ではなくて、茹でたての汁なし麺がメインであると…つまり、アルデンテの1本勝負しかしない…と宣言している店なのだ。なんとも挑戦的ではないか(笑)。

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メニューはこれだけ。この他に麺とは別のサイドメニューもあるのだが、それはあとで紹介する。営業時間は朝7時から夜8時まで。メニューには書いてないが汁麺は午後2時半からの提供となっている。

油氽排骨

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こちらがサイドメニュー。「油氽排骨」とは、いわゆるトンカツのことである。「油氽大鶏翅」とはトリカツという訳でいいのかな。「」は見慣れない文字だが、発音はtun3で、「浮かべる」という意味。または油で揚げることを意味する。

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まず、油氽排骨が出てきた。揚げたてのホカホカで、衣の上に少し油が残ってテラテラと輝いている。パン粉の衣と違って、小麦粉の薄い衣なので、大きさの割にアッサリとしている。下味がついているので、このままで食べられる。

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柔らかい豚肉を使っていて、見た目の割に脂っこくないので、スイスイと食べられる。これをオカズに炊き立てのご飯をたっぷり食べたいと思ってしまう私はやはり日本人なのかw。これだけでも十分なご馳走と思うけど、これはサイドメニューだ。

老上海紅蝦醤辣肉絲拌麺

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そしてこれが、「老上海紅蝦醤辣肉絲拌麺」である。辣肉麺で、肉がこんなにテンコ盛りなのは初めてだ。最初メニューを見た時、いくら有名店でも、辣肉麺に28元は取りすぎではないか…と思ったが、実物を目の前にして言葉を失ってしまった。

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肉の柔らかさ、程よい太さと噛みごたえも素晴らしかったが、特筆したいのはこの葱油だ。葱がカスカスになるまで熱した店が多いが、ここはその一歩手前で過熱を止めて炭化させない。葱がほどよい飴色で、噛むと葱の味がジュワっと染み出る

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そしてこの麺の茹で具合。茹で過ぎてベタッとなって固まるのではなくて、この立体感を保ったままで、上のテンコ盛り辣肉に押しつぶされずにいる。箸でかき混ぜる時、若干硬いような感触。しかし、これを混ぜこぜしながら解きほぐすと…

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先程まで、硬すぎるのでは…と思っていた麺に、油と辣肉のタレが絡まって、固まりが解きほぐされ絶妙な歯応えと喉越しを実現する。「本店の特色は拌麺を以て主と為す」の宣言の通りだ。麺1つにここまで打ちのめされたのは初めてであった。

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ちなみに、このお店の店主と思われる男性は日本語がちょっとできる…気さくで明るい人である。店員も日本人に好意的である。メニューなどは中国語オンリーだが、上海ローカルのお店にしては、日本人に行きやすい、安心できるお店であろう。

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