黒色中国BLOG

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チベット人のトンドゥプ・ワンチェン氏は、釈放1年後も、公安の厳しい監視下に

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 最近、中国人のフォロワーが増えてきたため、中国語のニュースも積極的にツイートしようと思い、あまり日本や中国では紹介されてないニュースの多いRFAのニュースを中心に、毎日取り上げるようにしているのだが、「顿珠旺青」ってどこかで見たような…と思って調べてみたら、トンドゥプ・ワンチェン氏の漢字表記だった。記録映像『恐怖を乗り越えて』の製作者である。

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▲写真はウィキペディアより。トンドゥプ・ワンチェン氏は、写真右下の印刷物の写真の人である。

RFAのニュースによると、トンドゥプ・ワンチェン氏は去年釈放された後も、公安当局から言論、行動、日常生活を厳しく監視されており、健康状態が心配される…とある。

「良心の囚人」"LEAVING FEAR BEHIND" 映画製作者を救え! - Students for a Free Tibet: 日本

▲こちらによると、「ドンドゥプ・ワンチェンが不当な裁判で裁かれ、B型肝炎の治療が受けられないでいます」とあるので、肝炎をまだ完治できていないのかも知れない。

トンドゥプ・ワンチェン - Wikipedia

チベット語で 「Jigdrel(ジグデル)-LEAVING FEAR BEHIND」というドキュメンタリー・フィルムは、チベットに住む100人以上のチベット人の生の声、たとえば北京オリンピックに対してどう感じているのか、置かれている政治的状況をどのように考えているのか、強制移住や中国政府による資源収奪の実態、教育・文化面での抑圧など、を極秘に取材し、取材したVTRを、ワンチェンの従兄弟であるスイス在住のギャルジョン・ツェトリンが編集をしたものである。 日本語および英語の字幕がつき、25分のネットムービーとして公開される。また世界30カ国でも上映されている。

トンドゥプ・ワンチェン氏が製作した記録映像『LEAVING FEAR BEHIND』(恐怖を乗り越えて)はYOUTUBEでも見ることができる。

▲こちらは日本語字幕付き。ただしダイジェスト版である。

▲中国語・英語字幕付き。こちらはノーカット版である。

ウィキペディアによれば、トンドゥプ・ワンチェン氏は、「農民の家族に生まれ、正式な教育は受けていない」とあるけれど、カメラワークは意外に良いし、ドキュメンタリー映像としてのレベルは高いと思う。テレビの中のダライ・ラマ法王に向かって、次々と五体投地を始めるシーンでは思わず涙が出た。北京五輪前のチベットの状況を記録したものだが、今でも同じような状況なのだろうか。もっとひどくなっているのだろうか。未見であれば、ぜひご覧になられることをお勧めする。ノーカット版でも24分程度の短編映像である。

チベット問題 (光文社新書)

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消されゆくチベット (集英社新書)

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