黒色中国BLOG

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【ネパール大地震】チベットでの被災状況と被災時の動画

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昨日気になったのは次のニュースである。

 ニュースと言おうか、在中国日本国大使館からの注意喚起のメールである。

休日なので、ツイッターから離れてのんびりしておこうと思ったのだけれど、ふとメールをみたら大使館からの『注意喚起』が入っていたので、気になって読んでみた。

地震発生から4日目になってわざわざ『注意喚起』とは、仕事が遅いというのか、どうしていまさら…という気もするのだが、大使館はああ見えて無駄な仕事はしない。何かの意味があるのだろう。

文面を読んでみると、(気になる方は上掲のツイートのURLをクリックして下さい)大したことは書いてない。大使館からのメールはあまり踏み込んだ書き方はしないので、真意を読み取るには、読解能力が必要となる。たぶん、次のような意味になるのだと思う。

  1. 「入蔵証」(チベットに入るための許可証)のことがわざわざ2回も書かれている。たぶん、ここが注意すべきポイントなのだろう。チベットでの被災状況が深刻なものであるため、たぶん入蔵証が降りなかったりするケースがあるのか。詳しくは旅行社に聞いて下さいね、ということだ。
  2. 「主要道路では被災地支援のために交通管制が行われており、観光用の車両は通行できない場合がある」というのは、断言してないけど、要するに「観光に行けるような状況ではない。確実な移動を保証できない」ということだろう。
  3. 「『中尼公路』は震災被害で通行不能区間があり、現在は少なくとも一般の観光客は『中尼公路』経由でネパールへの移動はできない状況である」…ネパールとの国境地帯は道路が寸断されていると、地震発生直後に中国で報じられていたが、4日経っても修復できない状況であるらしい。

そこで、中国版ツイッターと呼ばれる「微博」(ウェイボー)で情報を探ってみることにした。

www.youtube.com

▲そこで出てきたのがこちらの動画。これは中国とネパールのイミグレが設置されているチベット・キドン県の地震発生時の動画。イミグレが写っている。周囲全体が爆音と噴煙に包まれて壮絶な状況となっている。

▲それから、こちらの写真をみつけた。

f:id:blackchinainfo:20150430113950j:plain

▲道路が土砂で埋まっている。これでは当分復旧は出来そうにない。

上掲の動画が最初に公開されたのは28日頃のようだ。地震直後は通信基地局が損壊していたため、スマホで動画を撮影していても、アップできない。だから、撮影主がアップできるところまで移動したのか、通信基地局が復旧するのを待ってアップしたのかと思われる。地震発生から3日間経って、こうした中国政府公式情報以外の現地の情報も出てきたし、復旧には時間がかかるのがわかってきたため、日本大使館も『注意喚起』のメールを送り始めた…ということなのだろうか。

今回のネパールの地震では、チベットでも被害が出ているのだが、日本ではあまり報道されていないので何かと心配である。ツイッターでの反応を見ても、チベットの被災状況が気になる人が少なくないようなので、しばらくはチベットでの被災状況をウォッチし続けようと思う。

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