昨日、中国語のニュースを見ていたらこんなものをみつけた。
【中国专家公布731部队进行人体解剖的直接证据】 2011年11月,哈尔滨市社会科学院731问题国际研究中心负责人杨彦君赴美国国会图书馆查阅了美国解密的日本细菌战档案,发现了三份解剖报告书,其中一份是鼠疫菌报告“Q报告”… http://t.co/cFBc6TbZbD
— 黒色中国 (@bci_) 2013, 8月 14
2011年11月にハルピン市社会科学院の731問題国際研究センターの楊彦君氏が米国国会図書館で、日本の細菌戦資料を調べていたところ、3つの解剖報告書を発見…その内の1つが、ペスト菌報告の「Q報告」だった…というもの。
【目次】
「Q報告」は13年前にも日本で報道されていた?
この「Q報告」が気になってググってみると、別にこれは真新しい話でもないらしい。
【731部隊のペスト菌調査報告書見つかる】旧関東軍防疫給水部(731部隊)が、1940年に中国東北部の農安、新京(現・長春)で流行したペストを軸にペスト菌を体系的に調査した報告書が現存していたことがわかった http://t.co/hLYfsPwZnl ※2000年9月の記事
— 黒色中国 (@bci_) 2013, 8月 15
【米議会図書館に所蔵されている731部隊「Q報告」】「Q報告」は、1940年6月から秋にかけて中国東北部の農安と新京(現在の長春)でペストに感染して死亡した住民57人の解剖結果をまとめた http://t.co/yYFImD0Q2s
— 黒色中国 (@bci_) 2013, 8月 14
【731部隊の新たな証拠を発見 日本人教授】常石敬一・神奈川大学教授らが、米議会図書館と日本の国会図書館で、731部隊がノミを使用してペスト菌などの細菌兵器を開発していたことの新たな証拠を見つけた http://t.co/V9GC54kE21 ※2005年8月18日の記事
— 黒色中国 (@bci_) 2013, 8月 14
13年前に朝日新聞でも既に報道されていたようだ。
楊彦君氏の独自の新発見したというよりも、少なくとも日本では13年前から知られていることであり、それを元にして2011年11月に楊彦君氏が米国国会図書館に当該資料を探しに行った…のではないだろうか。それにしても、この11年のタイムラグはなんなのか?
楊彦君氏の米国国会図書館での資料調査は、2011年11月。こちらのニュースによれば、2010年に被害者名簿が公表された1年後にあたり、2012年に731部隊跡地は世界遺産の申請リストに入っている。
【大日本帝国陸軍「731部隊」の細菌戦示す証拠を発見】都市や町に細菌弾を投じたほか、雲南省とミャンマーをつなぐ道路の沿線にある溝や井戸、池にもコレラ菌を…南方軍が残した生物化学防護服や大量のネズミの飼育ケージ、毒ガス応急箱などが発見… http://t.co/cr61Viot9s
— 黒色中国 (@bci_) 2013, 8月 1
▲つい先日はこんなニュースもあった。
たぶん、2010年頃から、世界遺産登録を目標に、旧日本軍の生物化学兵器分野の戦争責任に関する中共の工作活動が強化されてきたのであろう。
常石敬一氏とは?
2005年に「新たな証拠を発見」した常石敬一氏は、「神奈川大学教授」ということで、専門はなんだろうか…と疑問に思ったのだが、
■常石敬一(ウィキペディア)
1966年に東京都立大学理学部物理学科を卒業後、1973年に長崎大学講師となり同校教養部教授を経て、1989年より現職。主な専門は科学史、科学社会学、STS(科学技術と社会)、生物化学兵器軍縮。731部隊や旧日本軍の化学兵器製造について研究を行ってきたことから、NHKをはじめとするメディアにおいては「毒ガスの専門家」とされて登場することが多い。
ただし、実際の研究内容は戦史的・科学史的な分野が中心である。 著書の内容は取材などによるものが多く、戦争責任に関する講演会に積極的に参加する事でも知られている
731部隊や化学兵器が専門のようだが、別に化学が専門というわけでもないらしい。
・サリン事件に登場した「毒ガスの専門家」常石敬一教授を嗤う。
ちょっとググっても、こういう記事が出てくる人物である。
一連のニュースを整理して考えてみると、日本の「活動家」が先行して情報収集していたのを、最近になって中国側が後を追うようにして、同じソースにあたり、731部隊跡地の世界遺産登録を目標に、活動を強化している…という印象を受ける。
今後、これらの成果を集約して、中共がなんらかの工作を開始するのかも知れない。しばらく動向を注視しておこうと思う。